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丸みのある可愛らしいお時計、ミスパシャ

9月 19th, 2024

ミスパシャの歴史と特徴


ミスパシャのデザインの特徴は大きく分けて4つあります。

 

①ラウンドケース(丸い形のケース)
一般的な腕時計のケースとして丸い形(ラウンド)が多かった時代、カルティエは四角い形(スクエア)のケースが主流でした。1943年にラウンドケースの代表作パシャの原型となるモデルが誕生し、その後1985年に【パシャ・ドゥ・カルティエ】が発売されました。
1995年にはスポーティさを増した【パシャC】、2006年には【パシャタイマー】、2009年に【ミスパシャ】が登場し、現在はパシャドゥカルティエのみが展開しております。
カルティエのミスパシャ。
丸みのあるデザインとピンク色の文字盤、リューズプロテクターが特徴のお時計です。


②ミニチェーンでケースに固定されたねじ込み式リューズプロテクター
モロッコの都市を治める総督(太守 トルコ語でパシャ)から、『屋敷のプールで泳ぐときに着けられる時計を作れないか?』というリクエストに応えてルイ・カルティエによって作られた角形防水時計が始まりと言われています。長い年月で様々な進化と改良を重ねて、パシャシリーズに採用されているねじ込み式リューズになりました。
こちらのモデルにはピンクスピネルが付いており、とても可愛らしいデザインになっております。
防水性能を高める為のリューズプロテクターはピンク色の石付き。時計本体とプロテクターを繋ぐチェーンがとても可愛らしいデザイン。

③アラビア数字を採用した日本人にもなじみ深い文字盤デザイン
カルティエの殆どのコレクションはインデックス(文字盤の目盛りを示す点や線)がローマ数字ですが、パシャは例外的にアラビア数字を採用していることも特徴の一つです。

 

④カルティエの美しい青針
カルティエの時計で多く採用されている青い針、実は塗装ではなく金属を焼くことによって生み出されています。
金属を使って何かを形成する時に焼き入れ焼き戻しという作業を行います。焼き入れで硬さを上げて、壊れにくくする為に焼き戻しで靭性(粘り強さのこと)を上げるそうです。
その作業を繰り返す段階で、黄色→紫色→青色→灰色の順に色が変化していき、ブルースティール針は青色の段階のもの。綺麗な青色を出すためには焼き上げのタイミングが難しいとされており、手間暇をかけて職人が手作業で針を焼いていく為、主に高級時計に採用される事が多いです。

アラビア文字を採用したピンク色の文字盤と、青い針が特徴です。

全体的な見た目だけではなく、細部まで職人さんのこだわりが詰まったお時計です。
アンティークのお時計は実際に試着も出来ますので、是非デザインのこだわりを手に取って間近でゆっくりと感じてみてください。



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作成者ES

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