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Cartier(カルティエ)パシャC クロノグラフ腕時計 W31039M7のオーバーホール受付

12月 21st, 2022

ジュエリーから始まるカルティエの歴史
カルティエパシャCボーイズ機械式腕時計のオーバーホール

1847年、宝石細工師ルイ・フランソワ・カルティエが高級宝飾品ブランド「カルティエ」を創業したのがはじまりでした。
パリ2区上流貴族の住居に近い場所に位置し創業直後からそのビジネスは繁栄を極め十数年のうちにナポレオン3世皇后ウジェニーからの注文を果たすようになったほどです。
それは1859年のナポレオン3世のパリ改革により貴族以外の人々の服装が変わり、店は同じ地区のイタリア通りへ移転しさらに売上を伸ばしたことが要因ともなっていました。

やがてカルティエの信頼性と品質の高さは官界を中心にヨーロッパ中に広まりカルティエは一流の高級ブランドとなった。
3代目のルイ・カルティエが事業に参加すると時計をはじめとして、男性用のライターやシガレットケースなど斬新なジャンルを試行錯誤した。
1909年にはニューヨークの5番街にブティックを構え海外進出を果たします。

腕時計の始まりには欠かせないサントスのエピソード
Cartier SANTOS02

男性用腕時計の始まりは1904年にサントス・デュエモンにルイ・カルティエが贈ったという「サントス」と言われている。
飛行家であったサントスが飛行レースに使用するためにカルティエに依頼したことがきっかけで制作した時計は今も名品として現行機としてもリリースされ続けているモデルです。

1911年には市販されるようになったという「サントス」のモデル、ベルトを留める器具は現在の一般的な尾錠ではなく「Dバックル」という形状の元になっているようなタイプで、
「デプロワイヤントバックル」と呼ばれるストラップが外れない仕組みになっている機構を当初から装備できたのはジュエラーとして装飾品のノウハウを培っていたカルティエだからなせた技だったのかもしれないですね。

一般販売された史上初の男性用腕時計は実用性と並行した画期的なデザインでスポーツシーンだけでなくドレスウォッチとして今でもその人気が続いています。

比較的近年の登場となった「パシャ」のルーツ
リューズガード(リューズカバー)がアイコニックなパシャのシルエット。美しく愛らしく、ケースの曲線等も見ていると惹き込まれる造形は伝統あるジュエラーならでは。

そんなカルティエの防水性能を纏ったシリーズがパシャ、初登場したのは1985年と比較的近年ですが、
そのルーツは1931年にモロッコのパシャ(太守)であるエル・ジャヴィ公からの依頼で制作された「プールでも着用できる時計」がもとになっていると伝えられています。

当初角形のシルエットだった時計は時を経て1943年にラウンド型のケースにリューズカバー、ガラスの保護の格子がデザインされ備えられる事になります。
防水とガラス保護の堅牢性を見る格子デザインは必然的に備わったことになりますが、そのシルエットはアイコニックで観る者の目を奪う魅力に溢れていました。

今回ご依頼いただいたクロノグラフタイプのパシャCにもそれが感じられるデザインになっているラウンドケースにリューズカバー、2時と4時にスタート・ストップとリセットボタン、
美しさと愛らしさを感じられるシルエットの盤面内3.6.9時に秒針と12時間・30分積算計が搭載され5時にさりげないデイト表示がされ実用性に満ちています。

白盤面には格子柄のエンボス仕立てにドットインデックスとローザンジュ針が伝統的な雰囲気を演出している作品を感じ取れる腕時計になっていますね。
内部機構はETA2892がベースになっている2階建てと呼ばれるタイプのクロノグラフ設計になっていて、横から見た時にリューズとプッシュボタンの高さが違うのが特徴的になっています。
リューズの位置とプッシュボタンの位置の差があるのは内部機構の構造上も関係していたカルティエパシャ。

ベースとなるムーブメントにアジャストできるクロノグラフ機構をユニット化させて装着することで生産されているものになっています。
こちらの機構ももちろんオーバーホールが可能で、カルティエをはじめ多くのブランドの同じような機構を手掛けた実績がございます。

年末年始のご自宅の整理整頓で取り出した時計や、忘・新年会をはじめ集まりで使用した時計をいったんメンテナンスさせたいと思ったら、
オーバーホールと併せて行う外装磨き(ポリッシュ/新品仕上げ)等の提案等、時計の状態に併せたベストな提案をいたします。
是非ブローチ時計修理工房へご相談・お持ち込み下さい。お待ちしています。

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