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スプリットセコンドクロノグラフ

通常のクロノグラフの場合、計測用の秒針は1本しかなく、計測対象も一つに限られてしまいます。
スプリットセコンドクロノグラフの最大の特徴は計測用の秒針を2本備えている事です。
それによって複数の対象の経過時間を計測したり、一つの対象の中間タイム(スプリットタイム)を連続的に計測する事ができる機能になっております。

スプリットセコンドクロノグラフの原型は19世紀前半にまで遡ります。
20世紀前半頃になると腕時計にも組み込まれるようになってきました。クロノグラフの中で最上位の高度な技術ゆえ、「トゥールビヨン」「パーペチュアルカレンダー」「ミニッツリピーター」とともに「4大コンプリケーション」に数えられるようになりました。

2本ある秒針がどのようにして動くのか、簡単に説明したいと思います。
まず、スタートボタンを押すと2本の秒針が同時に動き出します。このとき2本の秒針はピッタリ重なっている為1本の針が動いているように見えます。
スプリットセコンド用のボタンを押すと、2本のうち1本(スプリット秒針)のみが停止します。このとき停止したスプリット秒針を見る事で中間タイムを知ることが出来ます。この間もクロノグラフ秒針は動き続けているので、2本の計測用秒針が分かれます。(このことをスプリットという)
さらにスプリットセコンド用ボタンを押すと、スプリット秒針がクロノグラフ秒針へとジャンプし瞬時に追いつき、再度2本の秒針は重なって動き続けます。この「追いつく」という動作をフランス語で「ラトラパンテ」と呼び、機能名や商品名によく用いられています。

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