BROOCHブローチ時計・宝石修理工房 > 用語集 > マスタークロノメーター

マスタークロノメーター

コーアクシャル搭載モデルの性能を客観的に評価するために、2015年に制定されたのが、スイス連邦計量・認定局(METAS)との共同開発によるテストです。

このテストでは、C.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定協会)のテストをクリアしたムーブメントを搭載した腕時計に対して、8つの厳格な検定基準を設けています。

基準内容は以下、

1. 15,000ガウスの磁場に触れた際のムーブメントの機能
COSC検定に合格したムーブメント単体を2つの姿勢で検査。各姿勢で15,000ガウスの高磁場環境にさらし、マイクで振動音をキャッチして機能を確認。

 

2. 15,000ガウスの磁場に触れた際の時計の機能
ムーブメントをケースに収めた状態で15,000ガウスの高磁場環境にさらし、マイクで振動音をキャッチして機能を確認。

 

3. 15,000ガウスの磁場に触れた際の一日平均の精度誤差
時計を15,000ガウスの磁場にさらし24時間後の誤差を記録。翌日、時計の磁気を抜き、さらに24時間後に誤差を測定。この2日間の平均誤差をテスト結果とする。

 

4. 時計の平均日差
4日間かけて時計を6つの姿勢で、2つの異なる温度下に置き、15,000ガウスの磁場にさらす。各日の精度をチェックし、最終日に平均日差を算出。

 

5. パワーリザーブ
ゼンマイが完全に巻き上げられた状態と最後までほどけた状態の写真を撮影し、時計のパワーリザーブ機能を検査。

 

6. 6姿勢における精度誤差
時計を置く方向を変えた6つの異なる姿勢で作動中の誤差を確認。6つの測定結果中、最大値と最小値の差をテスト結果とする。

 

7. パワーリザーブ残量が33%と100%の際の時計の精度誤差
時計を6つの姿勢で検査。まずパワーリザーブ100%の際の6姿勢の平均精度を記録。次にパワーリザーブ33%の状態で、同じ検査を行い平均精度を記録。この2つの平均値の差を算出。

 

8. 防水性能
時計を水中に沈め規定の耐水圧(10気圧)まで徐々に圧力をかける。

 

そして、C.O.S.C.とMETASのテストをクリアした超耐磁性のクロノメーターだけが、マスター クロノメーターの称号を得るのです。

閉じる