BROOCHブローチ時計・宝石修理工房 > 用語集 > ブルースティール(BlueSteel)

ブルースティール(BlueSteel)

腕時計の部品等の鉄や鋼を使ったパーツに施される表面処理の事。
鏡面近くまで研磨された鋼を空気中で加熱すると最初は銀色だったものが温度によって金色、紫、藍色、水色、青等様々な色に変わる。
その製作は求める色合いになるまで加熱してくという方法で作られるが、その作業の際に熱を加えすぎると一旦青く色の付いたものも、元の銀色に戻ってしまう。
その様になってしまうと冷却のち再度加熱しても又、調度良い色になったところで熱から遠ざけても余熱で着色反応が進んでしまう為、希望する青さの物を作る為にはその余熱での反応も見越して加熱、冷却をする必要がある。
また時計の針(ハンド)やネジのように一つの製品に複数のブルースティールの部品が使われる場合にはそれぞれの部品の厚さや形状を考慮した上で均一な色にしなければならない為、その製作には高度な技術と経験が求められる。
その為現在では一見青焼きに見える部品も、実際は塗装によるものである事が多い。
しかしながら高級時計においてはその製作の難しさが却ってそのメーカーの技術の指標の一つとなる為、あえて伝統的な加熱による製法を用いて時計の針等の部品を製作し使用しているメーカーもある。(ブレゲランゲ&ゾーネカルティエ等)

美しい青い針の腕時計は高級感が上がります

カルティエのタンクフランセーズ(ピンクシェル盤面)の電池交換のご依頼を承りました
写真のタンクフランセーズの時間針と分針はブルースティールを採用しています。青針モデルは高級腕時計の世界では割とメジャーで、多くの有名ブランドがこの針を取り入れています。スポーツモデルよりもドレスウォッチなどの高級感のあるシリーズに採用される事が多いような気がします。ブルースティール採用時計はどのモデルも高級感溢れるデザインに仕上がっています。

閉じる