TUDOR チューダー(チュードル)クロノタイム79180の分解掃除と修理
修理ブランドTUDOR(チュードル)
兄弟関係のようなロレックスとチューダー(チュードル)
1930年にROLEX(ロレックス)のディフュージョンブランドとして生まれたチューダー(チュードル)はロレックスの創始者ハンス・ウィスドルフ氏が認知度の拡大と販売の拡大を狙って始まりました。
ブランド名のチューダー(チュードル)はイギリス王家の「チューダー家」になぞられ、だれもが知っている名前をブランド名にすることでイギリス庶民に親しまれるブランドになる狙いがあったそうです。
イギリスでのブランド拡大を狙ったものとわかりますが、この狙いは見事に的中してイギリスの一般庶民に浸透してロレックスの普及モデルとしてどんどん有名になりました。
チューダー(チュードル)が広まることで、時計製造コストが高いために普及していなかったロレックスも相乗的に知名度が上がり正解的な有名なブランドとしてポジションを確立していきました。
チューダー(チュードル)はロレックスのパーツを使用している一方で時計内部の機械はETA社と言う汎用性の高い機械(ムーブメント)を採用しているのが特徴的で、
ETA社の汎用的なムーブメントを使用することでロレックスよりも価格を抑えて時計をリリースできている大きな理由であります。
現在も人気上昇中の「クロノタイム」
今回ご依頼いただきましたチューダー(チュードル)の「クロノタイム」は現在では製造が終了しているモデルです。
リューズと裏蓋にはロレックスの王冠マークが入っていて文字盤には『OYSTERDATE』の表記がされて”ロレックスの弟分”的な雰囲気を感じさせてくれます。
クロノグラフ機能が搭載されてロレックスのデイトナのようですが、日付カレンダーのデイトがあることでデイトナよりもカジュアル感が出ているように感じます。
ロレックスとは少し違った雰囲気に加え希少性が高まっているためか現在も人気が上昇し続けていて市場価格はもうディフュージョンブランドとは言い難い存在になってきています。
シルバーのケースは直径40mmでちょうど良いサイズ、その中の黒い盤面には3つのインダイヤルに3時の位置には日付のデイトが表示されています。
リューズとクロノグラフのプッシュボタンはねじ込み式で堅牢性高く誤操作が無いように設計されています。
クロノタイムの特徴としてケースからベルトのつなぎのラグの部分がスリムでない、
ふっくら厚みのあるカーブのケースはその横からの見た目から「カマボコケース」と呼ばれ親しまれています。
轢かれてしまった「クロノタイム」
お持ち込み頂いたオーナー様のお話によるとクロノタイムを着用してバイクに乗っていたところ転倒してしまい思いっきりクロノタイムを地面にぶつけてしまったそうです。
修理前の状態を見るとジャンク同然の見た目で、プッシュボタンも一つ取れてしまっています。
風防は傷だらけで時計内部のムーブメントは歯車やゼンマイが衝撃により噛み合わせがずれてしまっているのか時計も動きません。
見るからに「これはもう、ジャンクかな…」と思われるくらいの見た目になっていて一見すると修理不能です。
しかし、時計が粉々に消失してしまっている状態ではありません。オーバーホールで内部をばらし、パーツ一つ一つに損傷が無いか確認し洗浄を行います。
パーツ洗浄が終わったら油を注しなおしながら元の状態に直せば本来の動きを取り戻します。
ガラスもプラスチック風防は磨くと目に見えて綺麗になって効果覿面です。取れたプッシュボタンのみ再起不能でしたので交換対応になりました。
外装はポリッシュを行って綺麗に磨き、新品当時の本来の輝きを蘇らせます。
深い傷は落としきれませんが時計本来の輝きを取り戻し、かつて損傷を受けて陰っていたクロノタイム君が満天の輝きを取り戻しました。
出来上がりを見たオーナー様も「ここまで奇麗になると思わなかった」と大変満足された様子でした。
時計は精密機械で衝撃を受けることによってパーツ一つ一つにダメージが入ることで不具合の原因になります。
もちろん全ての故障を直せるということはありませんが、見た目がジャンクのようになってしまったと言ってあきらめるのは早いかもしれません。
時計が動かなくなった、大幅に遅れる等の症状を感じたら是非ブローチ時計修理工房へご連絡下さい。
相談からでも歓迎していますので、お気軽にお問合せ下さいませ。お待ちしています!
オーバーホール(TUDORクロノグラフ) | ¥44,000(税込) |
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プッシュボタン修理(交換) | ¥13,200(税込) |
ケース&ブレス ポリッシュ | ¥13,200(税込) |