Gerald Genta (ジェラルド・ジェンタ)のオーバーホール&ポリッシュ。
Gerald Genta (ジェラルド・ジェンタ)オーバーホール(分解掃除)ポリッシュ加工(外装磨き)修理
ジェラルド・ジェンタは時計界のピカソとも呼ばれている時計デザイナーです。彼はどのメーカーにも属さないフリーのデザイナーであり、様々なメーカーで活躍してきました。
天才デザイナーならではの、仕掛け盛りだくさん時計をオーバーホール!
今回のお預かりした時計も彼がデザインを手がけたものです。ダイヤルの上半分は、針が60分まで進むと瞬時にゼロ位置まで戻るレトログラード式の分表示。丸い小窓は、これに対応して時間を示す数字がカチリと次に移行するジャンピングアワー。さらに時計下部には、分表示と同じくレトログラード式の日付を表示。
さて、今回はオーバーホールの依頼です。オーバーホールというのは、単に分解し汚れを除去するだけではありません。
分解と同時に、歯車の状態やゼンマイ・バネ・ネジに至るまで破損がないか診断し、油切れによる摩耗、擦れ跡など入念にチェックします。パーツに破損が無い限りは基本的に元のパーツをそのまま使います。
異常が見当たらなければ、組み直して行くのですが、その際に時計内部で負担のかかる箇所、例えば、常に動き続けるゼンマイ、テンプ。パーツとパーツが接触する部分。こういった箇所ひとつひとつに油を指していきます。細かな調整をくりかえし、時計内部に油が浸透していき、全パーツが組み上がった時、その時計は正確に時を刻み始めます。
”時計界のピカソ”と評されるジェラルトジェンタだからこそ思いつく、前衛的でいてかつ美しさを兼ね備えたモデルですね。
一時間ごとに写真の黒いディスクが1目盛づつ切り替わり時間を表示します。
歯を切った扇型のレバーとスプリング等を使用してフライバック機能を可能にしています。
中3針の時計とくらべるとかなり複雑です。
原型を維持し磨き上げる
今回は同時進行でポリッシュ加工を施します。ポリッシュ加工とは簡単にいうとケースやブレスの表面を研磨することです。こうすることで表面の細かい傷が消え光沢が出て購入した直後のような美しい状態になります。
研磨にはバフモーターという機材を使います。ほとんどのブレスはポリッシュ加工(時計のケースやブレスレットが鏡のように物を映し出すほどの仕上げ方。主にバフモーターを使用し、職人の手作業により磨き込まれるのが一般的。鏡面仕上げとも呼ばれる。)とサテン加工(金属部分の表面に細かな傷を非常に狭い間隔で付けることにより、映り込みを無くし方向性のある艶消し面に仕上げる加工方法。絹地(サテン)に似た質感を施すため、そのように名付けられた)が施されており、ベルトひとつひとつをマスキングし、バラしながら行います。
ポリッシュ前と後の写真です。もともと状態の良い品でしたがさらにピカピカになりました!
ステンレス素材は確かに頑丈ですが、汗や皮脂などの汚れをそのままにしておくと、腐食してしまうこともあります。腐食してしまった部品は我々時計師でも直すことは不可能です。何十年も前に製造されたモデルであれば、なお気をつけなければなりません。部品も新しく仕入れることもできないので、今あるものを大切につかっていくしかありません。保管する際はなるべく汚れを落としてから保管されることをお勧めします。
~ブローチ時計修理工房で行える修理・作業!~
ブローチ時計修理工房ではオーバーホール(分解掃除)、ポリッシュ加工(外装磨き)だけではなく、電池交換・コマ調整・バネ交換・バンド交換などの作業や、折れ込んでしまったネジやピンの除去、湿気や水滴が入ってしまった時計の乾燥などありとあらゆる修理・作業を承っております。
大切な人から頂いた時計、思い入れのある時計、それぞれ理由があると思いますが、その時計が壊れてしまったら悲しくなりませんか?
壊れたら買い換えたらいい。そう思う方も中にはいらっしゃるかもしれません、ですが壊れないように定期的にメンテナンスすれば一生ものです!もし壊れてしまっても直せます!
お使いの時計に不具合等ありましたら是非一度ご相談だけでもブローチ時計修理工房へお持ちください。
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