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時計の精度を証明する品質基準①【東京神田・ブローチ(BROOCH)時計修理工房】

4月 5th, 2022

BROOCH時計修理工房 神田店の外観
こんにちは!ブローチ時計修理工房神田店です。今日は時計の精度を証明する品質基準についてのお話です。ちょっと長くなりそうなので2回に渡ってお送りしますね!腕時計の造り手がその精度を客観的に証明したい、また腕時計ファンが本当に優れた腕時計を選びたいという2つの希望を結びつけることが出来るのが、公的に認められた品質基準です。時計の世界ではそもそも、天文台で実施される精度コンクールで各社が競い合う、という伝統があったそうです。コンクールでの好成績が知られることでブランドの名が上がるというのが、少なくとも 1970年代前半までは普通のことだったのです。その熱気はクオーツ登場後、一時下火になりましたが、今日また高級腕時計の世界に限ってはその意義が認められています。

スイス公式クロノメーター検定協会( Contrôle Officiel Suisse des Chronomètres)

こうした基準で最もよく知られているのはスイスの公認クロノメーター検定でしょう。検査機関であるスイス公式クロノメーター検定協会( Contrôle Officiel Suisse des Chronomètres)の頭文字を採って「 COSC(コスク)」と呼ばれます。厳しいテストをパスしたムーブメント個体の搭載機は、COSC認定クロノメーターを名乗ることが許されます。同じくスイスの高級時計生産で知られる町フルリエでは、COSC認定クロノメーターかつ独自の精度と耐久性、審美的テストをパスした時計に「カリテ・フルリエ(フルリエ品質)」の認定を与えています。
フランスではブザンソン天文台が、COSCと同様のクロノメーター検定を行なっています。ドイツではグラスヒュッテ天文台でクロノメーター検定が実施されています。また我が国のグランドセイコーは、 COSCより厳しい「GS規格」を自ら課しており、企業内のテストながら信頼されています。日本を代表するブランドが更に厳しい規格を設けて信頼を築いているなんて、なんだか誇らしい気持ちになりますよね?同じような信頼関係は、ごく一部の品を除き全品に1000時間のテストを課すジャガー・ルクルトにも当てはまるでしょう。完成した時計を一度完全に分解して組み立て直す、A.ランゲ&ゾーネの完璧主義も有名です。
GrandSEIKOが外装磨きでキレイに生まれ変わります。
こちらがグランドセイコー、修理事例はこちら。
ジュネーヴ製機械式時計だけの品質基準として知られるのが「ジュネーヴ・シール」です。精度テストではなく伝統の技術が使われているかのテストですが、高級腕時計の聖地であるジュネーヴでのお墨付きであり、ステイタスは抜群です。また、このジュネーヴ・シールの枠組みから離脱したパテックフィリップ社の「パテックフィリップ・シール」も話題をまきました。
②へ続く。

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