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原子時

原子時計によって刻まれる時刻のこと。

ATと略記する。セシウム原子は 91億 9263万 1770Hzの固有振動数,すなわち波長約 3.3cmのマイクロ波を放射または吸収する。この振動数は外部条件によらず常に一定である。

この振動数ごとに1秒を刻む時計をつくり,この時計面の示す時刻が原子時と呼ばれる。セシウム原子時計の精度は 10-10 から 10-11 に達し,物理的に一様な時刻目盛りである。

1967年から使われているが,原子時は本来時刻ではなく時間しか示さないから,時刻を示すために,原子時の開始点は世界時の 58年1月1日0時に合せてあり,その時点からの時間の積算値を原子時としている。世界中の原子時を総合して決めた最終的な原子時は国際原子時 TAIと呼ばれる。

従来用いられていた地球の自転周期に基づく世界時 UT,地球の公転周期に基づく暦表時 ETに比べて精度が高く,歩度の一定性が保証されている。しかし,天文学上の時刻には暦表時のほうが都合がよいので,標準電波による報時の時刻刻みでは,暦表時によって校正し,適当に閏秒を入れて調整をする

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