航海において、緯度などの海上での現在地を割り出す為に用いられる非常に高精度な機械式時計のこと。

現在では一般的にはGPSのナビゲートで航海をするが、以前は港の出港からの経過時間と、方角を海図と照らし合わせて現在位置を割り出していた。

海上での現在位置の喪失は命取りとなりかねない為、計測に用いる時計は大変な高精度が求められた。

1739年にイギリスのジョン・ハリソンが発明した「クロノメーターH４」は何と時計の誤差は８１日間で８・１秒の遅れという精度を記録しており、これは当時の懐中時計が1日５～１０分誤差が出るのが当たり前だった時代において、驚異的な精度である。

その後のマリンクロノメーターの構造は精度の追求に特化する為に、鎖引き装置を備え、デテント脱進機を備えた物が一般的となった。

数多く手がけたメーカーとしてはユリス・ナルダンが有名。

その後航海での実用からは第一線を退いたが、現在でも「クロノメーター」の名は高精度の時計の代名詞として残っている