FRANCK MULLER(フランクミュラー)ヴァンガードRef:V45SCDT ACNRアフターダイヤ加工の分解掃除
修理ブランドFRANCK MULLER フランクミュラー
「ブレゲの再来」と言われるほどの天才フランク・ミュラー
パーペチュアルカレンダーという時計の機構をご存知でしょうか?もちろん時計好きの人は「永久カレンダーのことでしょ」とサッと回答できることと思います。
永久カレンダーとも呼ばれ、月による日にちズレや閏年の調整をあらかじめ時計に組み込み手動による調整を必要としないとても複雑な機構です。
フランク・ミュラー氏がジュネーブ時計学校に在籍していた時、非常に優秀な成績を納め表彰の品として時計の組み立てキットが贈られたそうです。
その組み立てキットを『ただ組み立てただけでは面白くない』とパーペチュアルカレンダーを組み込んで作成してしまったそうです。
もちろん時計学校にはほかにも複雑機構を設計・組み立てできる生徒が在籍していましたが、
好奇心から設計された物以上の時計に造り替えるのはフランク・ミュラー氏だけであったようです。
そのエピソードも1975年~1978年頃フランク・ミュラー氏が20歳になるかならないか位の時の事でした。
同室だったアントワーヌ・プレジウソ(パテック・フィリップに在籍していた時計技師)と共に首席で時計学校を卒業後、個人で時計制作を請け負い時計のビジネスをスタートしました。
時計制作への探求心は衰えることなく、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーターの3大複雑機構やスプリットセコンドクロノグラフなど搭載した時計を制作しています。
またそれらの複雑機構を1本の腕時計に集約させた作品を発表する等、界隈全体が注目する時計をリリースしその知名度を確固たるものにしていきました。
複雑機構だけじゃない魅入ってしまう素敵なデザイン性のフランクミュラー
1991年ジュネーブの宝石商ヴァルタン・シルマケス氏と共同経営で会社テクノウォッチを創業し時計ブランド「フランクミュラー」をスタートさせたフランク・ミュラー氏。
複雑機構搭載の時計に興味を深く持つフランク・ミュラー氏、経営の上でシンプルな3針時計を制作する必要が出た際には即決できかねたそうです。
ヴァルタン・シルマケス氏の説得もあり世界に進出するための時計、当時のミュラー氏にとっては”普通の”時計「カサブランカ」が誕生しました。
しかしシンプルな3針時計もサントレカーベックス(普及している呼び方はトノウカーベックス)と美しく加工されたサファイアガラスのケース、大きく読みやすく類を見ないデザイン性のビザン数字のインデックス。
そんな美しい時計「カサブランカ」を以って最初にブティックを開いたのは日本の青山でした。とあるインタビューでとはミュラー氏の人生において日本という国があったこはとても大切なことだったと語っています。
中間業者を通すのが一般的な日本で独自の時計ブランドを展開していくこと、そして日本人の細かい部分まで商品を見る目、考えていることをダイレクトに表情に出さない、そんなマーケットに挑戦した経緯から思い入れも深かったようです。
カサブランカは世界中で大ヒットし、その後も「ロングアイランド」「クレイジーアワーズ」「カラードリーム」とそれぞれアイコニックなコレクションをリリースし続けました。
一方で前述した3大複雑機構を複数取り入れたハイエンド機能のモデルも発表しデザイン・機能と両面で時計愛好家たちの心を今も魅了し続けています。
ヴァンガードV45SCDT ACNRのオーバーホール
「先駆者」という意味を持つヴァンガードと命名されたこちらの時計、時計本体にベルトとの接続部分になるラグの突出が無くブレスレット一体型です。
トノウカーベックスと比較してケースサイドがより丸みを帯びている。ビザン数字ではなくより直線的かつ立体的なインデックスでデザインされラクジュアリースポーツを演出しています。
こちらの時計ケースや盤面に余すところなく透明石が埋め込まれ煌びやかに輝いていますが、この全面的に装飾された透明石、実は時計本来のデザインではないそうです。
通称アフターダイヤと呼ばれる既存の製品に宝石等をカスタム装飾する加工の事ですが、大きいフランクミュラーのヴァンガード全面に施すのはなかなか見ることが出来ず貴重です。
ヴァンガードはラグがないのでより一層アフターダイヤの装飾はとても映えて見えます。アフターダイヤが似合う時計を探すのは大変ですがこの時計は一つの回答になっていますね。
オーナー様のお話によると北海道のフランクミュラー専門のお店で加工済みのものを購入されたらしいです。
これだけ装飾がされていると正規店等では本来無い加工がされていることを理由にオーバーホールをお断りされてしまうこともあるようです。
しかしブローチ時計修理工房なら特殊な加工がされていてもおおよそのケースならオーバーホールが可能です。
特に湿気が高まるこの時期ですと加工された石がちょっとした衝撃で取れてしまう可能性も少なくありません。
いくつか注意点はあるもののほとんどのオーバーホールは可能です。
もしも加工がされた時計をお持ちでオーバーホールやメンテナンス・修理をしたいけど断られてしまった経験がある人は、
是非ブローチ時計修理工房へ街頭の時計をお持ちください。お待ちしています!
オーバーホール | ¥33,000(税込) |
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