ZENITH(ゼニス)エルプリメロ クロノマスターのオーバーホール受付
修理ブランドZENITH(ゼニス)
屋根裏とシャルル・ベルモ
ゼニスのエルプリメロは、1969年に発表された世界初の高振動数クロノグラフムーブメントであり、その精度と信頼性によって時計界に革命をもたらしました。
当時、多くの時計メーカーがクロノグラフムーブメントを開発していましたが、そのほとんどは振動数が低く、最大で8振動(28,800振動)/時程度でした。
一方、ゼニスのエルプリメロは、毎時36,000振動という高い振動数を実現し、1/10秒単位での計時を可能にしました。
エルプリメロの開発には、当時の技術水準を超える困難が伴いました。
開発責任者のCharles Vermot(シャルル・ベルモ)氏は、当時の上層部が高精度クロノグラフの需要に懐疑的で、
ムーブメントの生産を中止するよう指示したため、エルプリメロの製造装置や製造技術を廃棄するよう指示されました。
しかし、シャルル・ベルモ氏は製造装置や技術を廃棄せず、代わりにそれらを倉庫に保管しました。
その後、ゼニスの上層部がエルプリメロを再び製造することを決定し、シャルル・ベルモ氏が倉庫に保管していた装置や技術を再び取り出して生産ラインを再構築しました。
その結果、エルプリメロは1970年代から1980年代にかけて、高精度クロノグラフの代表的なムーブメントとして世界的な評価を得ることになりました。
現在では、エルプリメロはゼニスの代表的なムーブメントの1つとして知られ、高精度クロノグラフムーブメントの代表格として、時計愛好家から高い評価を受けています。
1975年、ゼニスの経営陣はエルプリメロムーブメントの生産を中止し、ムーブメントの製造機材や製造技術を廃棄するよう指示しました。
しかし、シャルル・ベルモ氏はその指示に反対し、代わりに機材や技術を屋根裏の倉庫に保管することを決めました。
シャルル・ベルモ氏はエルプリメロを信じており、このムーブメントが将来再び需要があることを予測していました。
彼は廃棄された機材や技術を保管し続け、後にゼニスの経営陣に再びエルプリメロの生産を始めるよう説得するために保管場所を明かしました。
その後、ゼニスの経営陣はシャルル・ベルモ氏の提案に従い、エルプリメロの生産を再開することになりました。彼はエルプリメロの生産を守り、その後のゼニスの発展に大きく貢献しました。
高いムーブメント性能の”エルプリメロ”
エルプリメロムーブメントと呼ばれる高い精度を誇る自動巻きムーブメント。
このムーブメントは毎時36,000振動があり、秒針を1/10秒の精度で計測できることで知られています。
また、ムーブメントには高い耐震性があり、時計の精度を高いまま維持することができます。
ケースはステンレススチールで作られており、直径は42mm、厚さは14.05mmです。
文字盤にはシルバーのサンバースト柄が施されており、アラビア数字とインデックスが配置されています。
また、3時位置には日付表示があります。風防にはサファイアクリスタルを使用しており、防水性能は10気圧(約100m)です。
革ベルトは、深い青色のクロコダイルレザーが使用されており、クラスプはデプロイアントバックル式です。
消耗品のゼンマイ交換、オーバーホールと併せて承わっています
こちらの個体は巻いても動かないとオーナー様の代理のご家族の方がお持ち込み下さいました。
動作確認をすると各針急速に回った後ぴたりと止まってしまいました。
これはエネルギー貯蔵庫となっている「香箱車(一番車)」と呼ばれる特殊な歯車の中に仕込まれた薄い板状のワイヤーのようなパーツ、
ゼンマイと呼ばれるパーツは先に形容したように薄くなっているためすり減り破損しやすい消耗品と捉えられる部品です。
時計の心臓と呼ばれるテンプという部品、調速機構と言われ脱進機構へ、いくつかの歯車が連なる輪列機構その先に繋がっています。
そのパーツを取り出すためには各パーツバラバラにして取り出し交換を行い正常に動くようにいたします。
オーバーホールでバラバラにしてゼンマイ以外にも各パーツ不具合がないかチェックを行い洗浄し注油を行いながら組みなおし本来の動きを取り戻します。
また内装だけでなく外観もメンテナンス可能で、ポリッシュという磨きを行い新品本来の輝きを取り戻し、内から外まで綺麗にすることができます。
メンテナンスや修理のことなら是非ブローチ時計修理工房へお問合せ下さいませ。
オーバーホール | ¥57,200(税込) |
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ケースポリッシュ | ¥6,600(税込) |
ゼンマイ交換 | ¥7,700(税込) |