修理ブランドCartier カルティエ
今回はカルティエ タンク ケース&ブレスポリッシュのご依頼です。
基本的にはバフモーター
という機械を使い、磨いていくのですが、ズレたり凹凸が出来たりすると綺麗な仕上がりとは言えなくなるので、集中力を高めて作業します。
まずは、硬めのフェルトバフで全体のキズを取り除きます。この時の傷の取り具合がこの後に繋がっていくので大事な一段階目です。
あまり深い傷を追ってしまうと、形状自体が変わってしまう恐れがあるのでバランスも見ながら慎重に研磨していきます。
二段階目は、少し硬さを落とし、柔らかめのフェルトバフで磨いていきます。
この段階である程度の光沢を出します。この時、表面に凸凹が出ないよう注意しながら研磨していきます。
最後に、布バフで鏡面に仕上げます。バフの回転を上げ一気に仕上げます。
それでは、磨いていきたいと思います。
Before
こちらのケースは鏡面仕上げが綺麗なケースになっているので、ピカピカに仕上げないといけないのですが、タンクと言えば戦車をイメージした、この直線的な作りが特徴なので表面と脇の直線的な部分を損なわないように気を付けながら磨いていきます。
After
表面と脇の境目の直線もキープし、キレイに鏡面仕上げが施せたのではないでしょうか。
続いて、ブレスレットの加工に入ります。
こちらもケース同様に直線的なデザインが特徴ですので、丸みを帯びないように注意しながら磨いていきます。
Before
写真では使い込みによりサテン加工と鏡面加工が分かりづらいですが、説明を見て頂くと分かるように、本来は真ん中の四角いコマがサテン加工、他の部分は鏡面加工になっています。
最初の説明の通り、まずは硬めのフェルトで傷を取り鏡面加工にする部分を磨き上げます。
赤い枠の部分がサテン加工なのですがこのままサテン加工を施すと、鏡面加工の部分にまでサテン加工の筋目が付いてしまうので、マスキングテープで鏡面の部分を保護します。
このようにマスキングをしていきます。
マスキングをしたからといって安心してサテン加工を施していくとマスキングテープが熱などで剥がれたりするので注意が必要です。
サテン仕上げはバフモーターの一番右にあるスポンジバフという筋の付くバフを使用します。斜めに筋が入らないように気を付けながらサテン加工を施していきます。この作業で鏡面仕上げとの綺麗なコントラストが決まるので重要な作業になります。
仕上がりがこちらです。
After
無数にあった傷も消え、鏡面加工とサテン加工の綺麗なコントラストが仕上がりました。
今回のご依頼は、ポリッシュ仕上げでしたが当店では電池交換、コマ調整、バンド交換など様々な修理を承っております。
機械式の時計は定期的な手入れをすれば一生ものであると言われています。もしお使いの時計に不調が出ましたら是非とも、一度ご相談にいらしてください。
ケース&ブレスポリッシュ加工料金 | ¥10,000(税別) |
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