OMEGA-オメガ- speedmaster Ref.145.0222 オーバーホール&ポリッシュ加工のご依頼です。
オメガ スピードマスター オーバーホール(分解掃除)、ポリッシュ(外装磨き)修理
今回はOMEGA speedmasterスピードマスター オーバーホール&ポリッシュ加工のご依頼です。
「15~16年前にご購入されたそうで、クラスプが閉まらなくなった、風防にキズが付いてしまい磨いてほしい」とのことでお預かりしました。
~オーバーホール(分解掃除)って?~
オーバーホールというのは、単に分解し汚れを除去するだけではなく、分解と同時に、歯車の状態やゼンマイ・バネ・ネジ(クオーツ時計の場合はインシュレーターや回路の動作チェックなど)に至るまで破損がないか診断し、油切れによる摩耗、擦れ跡など入念にチェックします。パーツに破損が無い限りは基本的に元のパーツをそのまま使います。
異常が見当たらなければ、組み直して行くのですが、その際に時計内部で負担のかかる箇所、例えば、常に動き続ける輪列、パーツとパーツが接触する部分。こういった箇所ひとつひとつに油を指していきます。細かな調整をくりかえし、時計内部に油が浸透していき、全パーツが組み上がった時、その時計は正確に時を刻み始めます。
針のずれやインデックスのくもりなど、その他気になることがある場合は事前に教えていただきますと出来るだけご希望に沿うようなメンテナンスをさせていただきます。
ひと通り作業が終わり、クラスプの修理に取り掛かります。
~クラスプの閉まらないわけ~
クラスプを分解してみると。。。
クラスプのプッシュボタンを操作するバネが折れていました。。これでは、プッシュボタンを突っ張らせることが出来ずクラスプの開け閉めが出来ないわけです。新品のバネに交換して修理完了です。
そして、ポリッシュ加工に移ります。
今回はケース、ブレスレット共にポリッシュ希望なので、腕が鳴ります!
まずは、ブレスレットですが、
↑まずは持ってきていただいたときの状態をご覧ください。
こちらは五列バンドで真ん中の細い部分が鏡面仕上げ、他がサテン加工となっています。オーソドックスなタイプで磨きあがりの見栄えも良いブレスレットですが、現状鏡面仕上げの部分は傷で輝きを失って、サテン加工の部分はいろんな方向から傷が入りお世辞でも美しいとは言えない状態です。
細い部分の鏡面仕上げの際に気を付けなければ他のコマの形状を変えてしまう事もあるのと、サテン加工部分は一定方向にスジを付けてあげないと美しい仕上がりにはならないので慎重に丁寧に磨いていきます。
↑磨き作業後です!形を変えることなく磨けました!
深い傷などは消そうと思って追うと形が変わってしまうのでほどほどに磨くのですが、小傷が取れただけでもだいぶ印象が変わります!
鏡面加工とサテン加工のコントラストがキレイに仕上がったのではないでしょうか。
↑持ってきていただいたケースの状態です。
こちらのケースも鏡面部分とサテン部分があり、美しいコントラストを生み出せるよう磨いていきます!
それぞれのパーツが綺麗に仕上がっても完成させたときのバランスが悪くては作業完了とは言えず、ケースのサテン加工の濃さとブレスレットのサテン加工の濃さがアンバランスだと統一感が出ません。もちろん鏡面の仕上がりもですが、全てのパーツを組み合わせ一体化した時の美しさを頭に置き、ポリッシュの作業を行います。
↑ケース磨き完了後です!
基本的にバフモーターという機械を用いて磨くのですが、ケース側面やラグの内側など機械では磨けない箇所は手作業で行うこともあります。その際は、ズレたり均等に磨くのが非常に難しいので特に注意して磨きます。
機械式の時計は定期的な手入れをすれば一生ものであると言われています。お使いの時計に不調が出ましたら是非とも、一度ご相談にいらしてください。
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