タグホイヤー アクアレーサー クロノグラフのオーバーホール&ポリッシュ。
タグホイヤー オーバーホール(分解掃除)、ポリッシュ(外装磨き) 時計修理
「購入してから5年程たったので、分解掃除してください。」という依頼でした。
今回は外装磨きについて説明したいと思います。
~外装磨きとは~
外装磨きとは本来時計に施されているポリッシュ(鏡面仕上げ)やサテン加工(ヘアライン仕上げ)を磨き直して新品のような状態に戻すことを言います。
普段ご使用になられていて付く小傷など、いくら気を付けていてもどうしても付いてしまうものです。それらをキレイに消し、鏡面のところはピカピカに、ヘアラインのところは一定方向に流れるスジを付ける行為を外装磨きと言います。
いったいどのようにして施工しているのかですが、基本的にバフモーターという機械を用いて行います。
↑こちらがバフモーターです。
フェルトバフ2種類(硬いバフ、柔らかいバフ)、布バフ、スポンジバフを使い分けて施工します。
硬いバフはあらかたキズを消すために使用します。なので一番最初に硬いバフで全体を磨きます。※この際、当て過ぎに注意します。当て過ぎると本来のフォルムを崩してしまう事があるので要注意です。
次に柔らかいバフに付け替えて磨きます。柔らかいバフは表面を滑らかな具合にしてくれます。ですが、硬いバフと同様に当て過ぎると凸凹を作ってしまうので注意です。
ここから工程が分かれるのですが鏡面仕上げは布バフ、ヘアライン仕上げはスポンジバフを使います。
布バフは回転数を一気に上げて、一気に仕上げていきます。布の繊維スジが入らないようにいろんな角度から当ててあげる事がキレイに仕上げるコツですね。
スポンジバフはその名の通りスポンジなのであえて傷を付けてスジを入れる為に使います。まっすぐ入らなければ美しい仕上がりにはならないので注意です。コツとしてはスジを付ける対象を左右に揺さぶりながらバフに当てたり、上下をさかさまにして当てる事ですかねー。
実際に磨く前と後を見てみましょう。
↑磨き前です。鏡面部分はくすんで見え、全体的にぼやーっとしてます。
↑磨き後です。輝きが増し、明るい印象を与えてくれますね。
次にブレスを見てみましょう。
↑磨き前です。光が当たるとより一層キズが目立ちます。本来は全体がヘアライン仕上げなので一定方向にスジが入っているはずなのですが、、、。
↑磨き後です。一目で違いがわかりますね。まるで新品のような仕上がりになりました。
~アクアレーサーというモデル~
タグホイヤーは高級時計のエントリーモデルとして語られることしばしばあります。もちろんそれは間違いではありません。
しかしタグホイヤーはリーズナブルなラインナップを用意し、さらに低価格帯商品であってものにも高い技術力が注がれているため、高級時計として申し分のない使い勝手を楽しむことができるためです。
安い時計を探すことはとても簡単です。しかし高級時計のようなデザイン性に精密な機能を兼ね備え、それでいて大変お求めやすい価格を兼ね備えたブランドはあまりありません。そのため周囲の方々から、「高級ブランド品を身に着けている」というスターテスの象徴としての役割を果たしてくれるでしょう。
時計を多数所有しているコレクターの方の中にも、タグホイヤー愛好家の方が多く存在します。カレラやフォーミュラ11なども魅力的ですが、お気に入りにに「アクアレーサー」を挙げる方が目立ちます。
アクアアレーサーは82年からリリースされている、タグ・ホイヤーのダイバーウオッチです。1895年に懐中時計用のノウハウを取得し、そこから長年蓄積されたノウハウを引き継いで誕生したのがアクアレーサーです。
あらゆるマリンスポーツにおいて必ず求められる精密さに重点を置いて設計されているだけに、実際にプロのダイバーがデザイン・開発を手がけたという、信頼性のあるその精密な作りはプロユーズ向けにも対応が可能となっております。
300m防水を誇るこちらのダイバーズ・クロノグラフはダイアルにマリンデッキを彷彿とさせるホリゾンタルライン(水平方向に入った縞模様)が採用されました。
42ミリという大きすぎず小さすぎないステンレススチールケースはサテン/ポリッシュ仕上げのボリューム感のあるケースはオン・オフを問わずに使い易いデザインでデイト機能を搭載したムーブメントには評判の良い自動巻きクロノグラフムーヴメント「キャリパー16」を搭載しており、華やかな印象を与えてくれます。
シンプルながらも適度に角ばっているベゼル、緩やかな曲線を持ち、無骨さとは無縁なデザインには、タグホイヤーならではのエレガンスさが感じられます。
文字盤は深海を思わせる美しいブルーダイヤルを持ちながらもシンプルなディティールですので年代、服装を問わず、あらゆる状況でのご活用いただけます。
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