【東京神田・ブローチ(BROOCH時計修理工房)複雑なメカニズムの基本を知る
3月 9th, 2022
今回の神田店のブログは腕時計の基本的なメカニズムである機械式とクオーツ式の仕組みを一から確認していこうと思います。
機械式時計
ゼンマイを動力とし、脱進機によって針の動きを制御するのが機械式時計です。ゼンマイはリューズによって巻き上げられて力が蓄えられる。このゼンマイ\が元に戻ろうとして解けるが輪列【歯車機構】を廻して時計が駆動する。だが、そのままではゼンマイは瞬時に解け猛スピードで輪列が回転するため【脱進機】と【調速機】で輪の回転を制御。これにより、歯車の軸に取り付けた針がそれぞれ正しい時刻を示しながら動くのです。
クオーツ時計
- クオーツ、即ち水晶には、圧力を掛けると発電する特性があります【電圧効果】。逆に交流の電圧を掛けると一定周期で規則的に振動する【逆電圧効果】。これを応用し、通常は一秒間に3万2768振動する水晶振動子の動きを電気信号として取りだし、これを電子回路で一秒間に一回のパルス【一定間隔の電気信号】に変換してステップモーターに送信、回転運動に変換して時刻表示に用いるのが、クオーツ時計の原理です。
スプリングドライブ
スプリングドライブは世界に先駆けてセイコーが開発に成功し限りなく機械式時計に近い構造を備えながら、月差±15秒【日差±1秒】相当の精度を実現した機構。その名の通り、動力源はゼンマイだが、ゼンマイの解ける力と歯車の動きを制御する為に、極めて正確なクォーツを用いている。しかも、電子回路とクォーツの駆動には、ゼンマイの力で回転する、直径わずか1.3ミリのローターから発生させた電力を利用するという、自己完結型の機構であることも特徴です。当初は、手巻きモデルで展開されましたが、現在では自動巻きモデルも誕生しました。
腕時計7大機構
上記で説明した基本の構造3機構ですが加えて現在では色々な機構がありますので軽くご案内いたします。
①『トゥールビヨン』②『ミニッツリピーター』③『パーペチュアルカレンダー』④『パワーリザーブ』⑤『クロノグラフ』⑥『レトログラード』⑦『ムーンフェイズ』以上七種類が複雑な時計機構の中でも更に複雑と言われている機構となります。この七大の内三つ以上を使っている時計をコンプリケーションと呼びます。詳しくご説明をさせて頂くと書ききれなくなってしまいますのでリンクから当店HP用語集より確認してみて下さい。時計の世界は長い歴史が積み重なって現在の形になりました。そしてまだ進化の途中で終わりが無いのかもしれませんが、そんなご時世だからこそ昔ながらの複雑な機械の時計にファンは心を惹かれていくのだと思います。