機械式時計
巻き上げられたゼンマイがほどける力を動力にしたムーブメントを搭載している時計のこと。手でしかゼンマイを巻くことができない手巻き式と腕を動かすことにより、自動でゼンマイを巻き上げる自動巻き機構を搭載した、自動巻き式がある。
画像は自動巻き時計「Sinn アウトバーン」
機械式時計の歴史
世界で最初の機械式時計は1300年ごろ北イタリアから南ドイツに至る地域で作られました。 それ以来、機械式時計の基本要素は「動力源」、「調速機」と「脱進機」です。 錘で動く時計は移動することも携帯することもできませんでしたが、動力ゼンマイの発明によって16世紀に携帯できる時計ができました。当時の精度は、50秒に1秒の誤差があったそうです。。
振り子時計の誕生
最初の機械式時計から使われていた等時性の無い棒テンプは、16世紀前半頃、等時性のある振り子に代替され、時計の精度は飛躍的に向上します。精度は5分に1秒の誤差。
マリンクロノメーター登場
17世紀頃に、マリンクロノメーター用の脱進機が開発されます。正確で安全な航海を可能にするマリンクロノメーター。高い精度と耐振動性を求めて数多くの人々が脱進機の開発にしのぎを削りました。精度は8時間に1秒と格段に精度が上がります。
レバー脱進機
現代に繋がる脱進機が現われます。デットビート脱進機をベースにテンプとガンギ車の間にレバーを組み込んだレバー脱進機は現代の脱進機につながる重要な発明になります。
超複雑機構トゥールビヨン
17世紀後半、遂に天才時計師が誕生します。永久カレンダー、ミニッツリピーターなど数々の革新的技術を生み出したフランス人アブラアン・ブレゲは1801年にトゥールビヨンの特許を取得します。時計の精度には重力が影響しますが、調速脱進機全体を回転させることで全方向から均等に重力がかかる仕組みにより精度を高めました。
天才時計師ブレゲは、時計の世界を200年進めたと言われています。
恐ろしや天才ブレゲ。