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ゼンマイ

ゼンマイ Main Spring

香箱に収められたバネの事。箱の中では渦巻き状で収まっている。時計の駆動力を生み出す。また、テンプに使われている物はヒゲゼンマイという。
現在は主に、ニッケル・クロムにコバルト、モリブデン、ベリリウムなどで加工した白色特殊合金「ニバフレックス」が使われている。

切れたゼンマイの交換はブローチ時計修理工房まで
自動巻時計用のゼンマイです。
切れたゼンマイの交換はブローチ時計修理工房まで
香箱に収められた状態のゼンマイです。(写真はゼンマイ切れ状態)
切れたゼンマイの交換はブローチ時計修理工房まで
新品のゼンマイは、香箱にセットし易いようにアルミ製の枠に巻き込まれた状態でセットされています。
香箱に移す際にほどけたら大変です。。

ゼンマイの仕組み

機械式時計は、リューズを巻くと香箱に収められているゼンマイが巻かれ、動力を生む仕組みになっています。ゼンマイがほどける力を利用して、それぞれの歯車(輪列)を動かします。

一番車
・香箱車とも呼ばれゼンマイが収納されています。

二番車
・分針が取り付けられており、60分で1周します。

三番車
・2番車と4番車の仲介役ですが、精度に関わる重要な歯車です。

四番車
・秒針が取り付けられており60秒で1周します。

この一番~四番車までゼンマイの力を伝達し最後にガンギ車に伝わります。この輪列を動かしその後の脱進機→調速機(ガンギ車、アンクルテンプ)と動力を伝達し時計を動かす仕組みになります。

関連修理事例:ハミルトン(HAMILTON) Ref.2824-2 オーバーホール&ゼンマイ交換

ゼンマイ豆知識

渦巻き状の巻いたその形状が、シダ植物の「ゼンマイ」の若葉に似ていることから名付けられました。
ゼンマイは、15世紀のヨーロッパでぜんまい式時計で使われ始めたのが最初といわれています。
1400年ごろ、錠前にばねが使われるようになり、当時は時計職人が錠前職人も兼ねているのが普通だったそうです。そのため、時計にばねを使うようになったと考えられます。ぜんまいばねを使うことでそれまでの錘で駆動する時計に比べると小さく携帯可能な時計が製作可能になり、1600年までに世界初の懐中時計が作られるに至ったわけです。
江戸時代には、くじらのひげを使ったゼンマイが、からくり人形で使われていたなんて話もあります。

ゼンマイ関連、工具

バーレルアーバーホルダー

この工具は、バーレル(香箱)アーバー(真)を掴む為の工具で、香箱真を固定、回すことが出来る事から、香箱真を回しゼンマイの巻き数を調整できる。
また、香箱のあがきなどもこの工具で調整する事が出来る。
香箱を固定している様子。

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