「機械式」と「自動巻き」の時計は、どう違うの?
「自動巻き」は「機械式」の時計の一つです。基本的に機械式時計はゼンマイを動力としていて、「手巻き」と「自動巻き」があります。「手巻き」は手でゼンマイを巻いて使い、「自動巻き」は腕に着け動かす事により自動でゼンマイを巻く機構が付いている時計の事です。
これはロレックス CAL3055の自動巻き機構です。
通常自動巻きの時計は全回転式のローターが回転することでゼンマイを巻き上げ、そのゼンマイがほどける力を利用して動きます。自動巻きには片巻式と両巻式があります。ローターは両方に回りますが、片巻式は一方の回転の時にのみゼンマイを巻き上げます。それに対し、両巻式はローターがどちらに回ってもゼンマイを巻き上げます。当然、両巻式の方が巻き上げ効率がいいわけです。今、ほとんどの機械は両巻式を採用していますが、片巻式も存在します。
「自動ワインダーに付けているのに止まってしまう。」という方が時々いらっしゃいますが、片巻の時計の場合が多いです。片方にしか回らないワインダー(時間で回る方向が変わるワインダーもあります)を使っている方で、巻き上がらない方向にワインダーが回ってしまっているという事がありました。その場合はワインダーの設定で逆回転を選ぶと問題解決です。
どちらに回わるとゼンマイが巻き上がるのか確認して、ワインダーの回転方向を選ぶ必要があります。それでは、手巻き時計の良いところは? 自動巻きにくらべ、毎日もしくは二日に一度ゼンマイを手で巻かなければならず不便なように感じます。しかし「それがいい!」と言うユーザーも少なくありません。
毎日、手を掛けてやらないと止まってしまうところが愛らしいという方もいるのです。
高級時計の手巻き式クロノグラフのスケルトンモデルは自動巻き機構が付いていないぶん美しいムーブメントとスタート、リセットボタンを押した時のクロノグラフ機構の切り替わる瞬間がはっきり見ることができます。あと、自動巻き機構を持たない手巻き式は薄く造る事ができるのでデザインが豊富であるともいえるかもしれません。
ただ、ゼンマイを手で巻く時、巻き切ってしまう事には注意が必要です。リュウズを何回巻いたら全巻きなのかは機械の種類によって違うので、いちがいに何回といえませんのでゆっくり巻いていき、だいぶ重くなったなと思う所でやめた方が良いと思います。
一番良いのは時計を購入する時お店の方に聞くのが良いです。もしくはオーバーホールする際、時計師の方に見てもらうのも良いかもしれません。なにせその時計を一から分解、組み立てをしているのですから。