BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。
今回は、腕時計の革バンド(ベルト)素材の種類をご紹介します。
当店では、バンドの交換・注文を承っております。革バンドからメタルブレスまで、取り扱っているバンドを調べているうちに少しづつ違いが見えてきて、是非皆様にも共有したいと思い、こちらを書きました。
ご自身の時計に合う、そして好みに合うバンド探しに役立つと嬉しいです。
革バンド
ここでは革バンドの中でも多く嗜まれ、当店でも在庫として取り扱っている、「ワニ革(カイマン)」「トカゲ革(リザード)」「牛革」の3種類を写真と共にご紹介します。
ワニ革(カイマン)
まず初めにワニ革をご紹介します。そもそもワニ革は、大きく分けて3種類あります。「クロコダイル」「アリゲーター」「カイマン」です。
「クロコダイル」は、クロコダイル科に属するワニ革で、ワニ革の中で最も高級とされています。腹部の四角形のうろこと、横腹の部分の丸い鱗が特徴です。
「アリゲーター」は、アリゲーター科に属するワニ革で、主にアメリカンアリゲーターが挙げられます。
お待たせしました、上記の写真の「カイマン」です。こちらは、アリゲーター科カイマン属に属するワニ革で、業界では石ワニなどと呼ばれているそうです。全体的に硬い部分が多く、使用される部位はあごからわき腹にかけての部分になります。丸みを持った鱗の形が特徴です。
カイマンの中でも種類分けがあり、主にメガネカイマン、パナマメガネカイマンが挙げられます。生息地は中南米が中心で、中でもコロンビアやベネズエラなどで繁殖されています。
トカゲ革(リザード)
爬虫類の皮革の中では、一般的な素材で知られており、多くの製品に使用されています。中でも、リングマークトカゲの革が代表的に使用されています。リング状や点状の斑点があることからリングマークトカゲと呼ばれています。時計のバンドでは主に、この斑点を除去して仕上げたものを使用します。
生息地は東南アジア一帯に分布します。
牛革
皮革素材の中では最も一般的な素材で、幅広い製品に使用されています。牛革は、性別・年齢・仕上げなどで呼び方が変わり、その種類によって特徴や価値が変化していきます。代表的な種類を5つご紹介します。
「カーフ」生後6か月以内の仔牛の革です。革が薄くとても柔軟で、きめ細かく手触りも良いのが特徴です。
「キップ」生後6か月~2年以内の牛の革です。カーフよりも革の柔らかさは劣るものの、肉厚なため、強度があります。
「ステア」生後2年以上経過し、去勢された牡牛の革です。表面のきめはやや粗いですが、キップに近い質感です。去勢されて育成するため、傷が少なく、肉厚で強度も高く、耐久性・耐摩耗性に優れています。皮革製品としての使用頻度が高く、よく使用されます。
「カウ」生後2年程度経過した出産経験のある牝牛の革です。やや柔らかく、肉厚で強度も高い方です。
「ブル」生後3年以上経過した、去勢されていない牡牛の革です。去勢されず、生後から時間が経過しているため、表面に傷が多いことがあります。硬くきめも粗いですが、牛革の中では最も肉厚で、強度が非常に高いです。耐久性が求められる製品(靴底部分など)によく使用されます。
上記の画像は、牛革に型押しをしたバンドになります。
バンド交換はBROOCH時計修理工房へご相談ください
いかがでしたでしょうか、革バンドの種類とそれぞれの説明をお伝えしました。個人的にはワニ革(カイマン)が好きで、光沢感があると時計の印象が引き締まり、高級感も増して素敵だなと思いました。
実際のバンド交換の様子は、より詳しく修理事例として記事に挙げております。以下に最近バンド交換をした例を3つピックアップさせていただいたので是非御覧ください。
グッチ(GUCCI)の腕時計のバンド交換
ブレゲ(BREGUET)Classique の腕時計のバンド交換
ジャガールクルト(Jaeger-LeCoultre)の腕時計のバンド交換
バンド交換を検討されている方、電池交換やオーバーホール、その他時計に関するお困り事がございましたら、ブローチ時計修理工房神田店までお問い合わせください。お待ちしております。