修理ブランドTAG Heuer タグ ホイヤー
十数年前に購入され、一度もオーバーホールされていないという事で、オーバーホールとポリッシュでお預かりしました。
オーバーホールとはムーブメント(機械)をパーツ毎に分解して洗浄をかけ再度組み直します。 洗浄することによって古い潤滑油を洗い流し、新しい潤滑油をさすことによって出来るだけ新品の状態に近づけます。この方法はパーツに破損が無い限り基本的に元のパーツをそのまま使います。定期的なオーバーホールはパーツの保護にもつながります。
正面から見ても、ベゼル部分に従来のタグホイヤーと一味違ったこだわりを感じます。しかし、「リンク」の最大の特徴はベゼルではありません。「リンク」といえるべき最大の特徴は、ブレスレット部分にあるんです。
今回同時進行でポリッシュ加工も施していきます。ポリッシュ加工とは簡単にいうとケースやブレスの表面を研磨することです。こうすることで表面の細かい傷が消え光沢が出て美しい状態になります。
研磨にはバフモーターという機材を使います。ほとんどのブレスはポリッシュ加工(時計のケースやブレスレットが鏡のように物を映し出すほどの仕上げ方。主にバフモーターを使用し、職人の手作業により磨き込まれるのが一般的。鏡面仕上げとも呼ばれる。)とサテン加工(金属部分の表面に細かな傷を非常に狭い間隔で付けることにより、映り込みを無くし方向性のある艶消し面に仕上げる加工方法。絹地(サテン)に似た質感を施すため、そのように名付けられた)が施されており、ベルトひとつひとつをマスキングし、バラしながら行います。
ステンレス素材は確かに頑丈ですが、汗や皮脂などの汚れをそのままにしておくと、腐食してしまうこともあります。腐食してしまった部品は我々時計師でも直すことは不可能です。特何十年も前に製造されたモデルであれば、なおきおつけなければなりません。部品も新しく仕入れることもできないので、今あるものを大切につかっていくしかありません。保管する際はなるべく汚れを落としてから保管されることをお勧めします
こちらが、その「リンク」のブレスレットの拡大図です。
「リンク」最大の特徴は、なんと言ってもその独特な形状のブレスレットです。
リンクはブレスレットのコマに、「S」の形をした“S字型リンク”を採用し、だれもが一目で分かる外観をもっています。
人間工学に基づいて設計された形状の装着者の腕のフィット感は、タグ・ホイヤーユーザーに定評があり、全体の仕上がりの高級感もあいまって人気シリーズに一役買っています。
一般的なブレスレットとは一味違う特殊な形状なので、磨く際の細かいチェックを怠らないよう、慎重にしっかり作業して行きます。
磨き終わりました。
オーバーホール | ¥21,000(税別) |
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ケース&ブレス ポリッシュ料金 | ¥10,000(税別) |