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スイスの時計業界用語②【東京神田・ブローチ(BROOCH)時計修理工房】

4月 24th, 2022

神田店の外観
こんにちは。ブローチ時計修理工房神田店です!今日はスイスの時計業界用語①の続きで業態に関する用語について書いていきます。

業態に関する用語

「マニュファクチュール」(manufacture)  
原意は世界史で習った「工場制手工業」。時計業界では手工業に限らず「ムーヴメントを自社で開発製造できるブランド」、つまり「他社製エボーシュに依存しないブランド」をこう呼びます。パテックフィリップなどが最たる例ですね。
◉「エタブリスール」(établisseur)  
辞書的意味は「創立者」。時計業界では部品を集めてエボーシュやムーブメントを組み立てる「組立専門業者」を指す言葉でしたが、最近では「他社製エボーシュを用いるブランド」という意味で、主にマニュファクチュールとの対比で使われます。ちなみに部品の組立を意味する「エタブリサージュ」( établissage)は時計業界が生んだ用語。

ETAムーブメント
時計マニアの中には、自社製ムーブメントを含めて、螺子の1本から自社でつくる「マニュファクチュール」信奉者が多く、彼らには評判が悪い。エタのムーブメントをポンと入れれば出来上がりと皮肉って「エタポン」なる言葉まであるようです(汗)。しかし、時計専門雑誌では、自社製ムーブメントでは開発コストや自社分のみの生産なので製造コストが嵩んで時計自体が高価格になる上に、定評ある ETA社製ムーブメントは信頼性が高いことや保守費用も経済的なので、評価する声も多いそう。
◉「テルミヌール」(termineur)  
直訳すれば「末端業者」で、さまざまな業者の要望に応えて「部品を集める業者」のこと。集める作業は「テルミナージュ」(terminage)。どちらも水平分業が進んだスイス時計業界ならではの用語といえるでしょう。
◉「キャビノティエ」(cabinotier)
かつて「ジュネーヴの時計師」は自らをこう呼びました。彼らの多くが屋根裏部屋(cabinet)を工房にしていたことに由来。カルヴァンの宗教改革により 1536年に共和国として独立したジュネーヴの職人の、意識と教養とプライドの高さを象徴する言葉です。これも仏和辞典には見当たりませんが、腕時計のモデル名などではたまに目にします。日本の住宅事情だと屋根裏部屋とかはあまりなさそうですけど、確かに外国は映画とかアニメとかでもちょいちょいそうゆう場面が出てくるので多いんですかね。。意外なところにも想像力が掻き立てられますね!


機械式時計やクォーツ式時計、そのほかの時計でもお困りのことがあれば、お気軽にブローチ時計修理工房までお問い合わせください!時計の電池交換・コマ調整・バネ交換・バンド交換などの作業や、オーバーホール(分解掃除)、ポリッシュ加工(外装磨き)、湿気や水滴が入ってしまった時計の乾燥などありとあらゆる修理を承っております。大切な人から頂いた時計、思い入れのある時計、是非一度ご相談だけでも構いませんのでお持ちください。

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