KUBIK-クービック-スケルトンモデル修理 オーバーホール
KUBIK-クービック- スケルトンモデル オーバーホール(分解掃除) 修理
ドイツの時計メーカー “KUBIK”の、18金無垢スケルトンモデルをオーバーホールしました。
繊細な細工を文字盤側からふんだんに彫金職人の技が使われたK18の豪華な仕様の腕時計です。
一流の職人の手にかかると豪華絢爛に
ドイツの時計メーカーですがムーブメントのベースはエタウォッチのETA2892がベースになっていました。この2892はスイスの高級腕時計のちょっと良いラインの腕時計に多く使われる器械です。タグホイヤーやオメガではシンプルな3針スタイルにもう1つインダイヤルや付いたり何かしらの機能をプラスした時計に多く見られるムーブメントなのですが、何故か?シンプル3針のクービックにも使われていました。
単純に高級ラインだからなのでしょうか?とにかく良い機械を積んだ時計なのは間違いないです。
これまで承ってきたオメガやロレックスと比べるとよく分かりますが、スケルトンモデルの腕時計オーバーホールは、一つ一つのパーツが繊細なので、作業内容自体は事は同じなのですが、繊細な宝飾品並みの加工が施してあるだけに力加減がとても大事になります。金は張力が在るとは言っても曲げてしまたり壊してしまわないように細心の注意を払って進めます。
クービックの地板、各パーツをベンジンで洗浄して地板に装着していきます。ドイツジュエリー繊細な造りを感じさせる時計の地板。
御覧の通り、これだけ刳り貫かれていると地板自体の強度がかなり心配です。特に落ちているのでネジを締める時等ひねったり押したりの力を加えるのは、気を使ったり工夫が必要だったりします。
次にオートマ部分を見てみます。
上の写真(クービック)下の写真(フランクミュラー)を見比べると違は歴然ですね!本来ローターは巻き上げ効率を上げるために重さが重要なのですがクービックの場合は18金の根元を極力軽く刳り貫いてTOP部分に金の重さでローターを回転させるという考え方で作られています。こういう所にドイツのモノ造りを感じます。
ネジを締めたり緩めたりする時は、下の部分を傷が付かない材質のもの(真鍮など)でうけて、ムーブメントや受けが変形しないように気を付けています。
しつこいカビ汚れも徹底掃除
裏蓋のガラスのかなり広い範囲にカビが付着しています。
古い時計によく見られるこの白い汚れの様なのものカビなのですが、これが なかなか取れません。ただ拭いただけでは まったく取れないので、BROOCH時計修理工房では、アルコールを付けてから掃除木で こそぎ落とす感じで除去しています。
非防水の時計に見られる汚れなので恐らく外側から何らかの理由で侵入して繁殖したものと思われます。
アルコール消毒&掃除木での清掃によりキレイに落ちています。
私達の経験上、ベンジンではこのカビ汚れは全く落ちませんのでアルコールを使ったこの方法に落ち着いているのですが、もっといい方法を知っている方は教えていいただけると幸いです。(笑)
オーバーホール後時計を動かしてみて歩度を確認します。日差プラス6秒と優秀な感じでかなり良い状態になりました。
最期にケーシングして完成です。見事に復活しました!
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