タグホイヤー MONACO クロノグラフの オーバーホール&風防磨き。
タグホイヤー MONACO クロノグラフ オーバーホール(分解掃除)修理
モナコはタグホイヤーの中でも極めて異色を放つ腕時計としてこれまで注目されてきました。なぜなら、モナコが発売されるまで、どの時計メーカーも自動巻きの腕時計は丸形のものしか作っていなかったからです。当時丸いムーブメントを四角いケースに入れるのは非効率であるとされていたので、だれもやろうとしませんでした。しかしタグホイヤーはそこに目をつけて、あえて四角い時計を開発しました。しかも防水機能とクロノグラフまでつけてです。こうしてモナコは誕生しました。
さて今回はモナコのオーバーホールの依頼です。
「購入してから一度もオーバーホールしていないのでしてほしい。あとガラスの傷が気になるが、取ることはできるか?」という事で持ち込まれました。
オーバーホール(分解掃除)をする理由
時計内部のムーブメントを分解・洗浄し、新しい機械油を注しながら組み上げる作業のことです。人に例えて言えば「人間ドック」、車に例えて言えば「車検」のようなものです。分解掃除をすることで、故障の原因となる目に見えない部分の汗や汚れを取り除き、磨耗した部品や、防水性を保つために不可欠なパッキン類を交換し、健康で快適な状態に調整することができます。
腕時計にはクオーツや機械式をはじめさまざまな種類がありますが、ゼンマイを動力とする機械式の腕時計は構造が複雑で、時間の経過とともに防水性などの性能や時刻の精度が劣化していきます。そのため、時計を長持ちさせるには、4~5年程度を目安にオーバーホールに出すのが望ましいとされています。
クオーツ式の腕時計であっても、時計内部の部品は使用するうちに劣化していきますので、ブランドが推奨するタイミングでオーバーホールに出すと良いでしょう。 また、機械式・クオーツ式を問わず、仮に動作に異常がなかったとしても、腕時計の内部で部品の劣化や消耗が進んでいることがあります。その場合でもやはり4~5年に一度はオーバーホールをすることをおすすめします。オーバーホールをすると、時計のコンディションをベストな状態に戻せるので、寿命を延ばすことにもつながります。
上の写真を見るとガラスの中央部、縦に傷が確認できます。
風防にできた傷はバフモーターという機械に専用の研磨剤をつけて磨いていきます。(サファイヤガラス、ミネラルガラスなどに出来た傷は磨いて取る事が出来ないのでご了承ください)
こちらがバフモーターです。円形の部分が柔らかいフェルトや布素材になっていてモーターで高速回転します。そこに風防を当てることで、表面を研磨していきます。
上の写真ではキズがキレイに無くなっているのがわかると思います。
しかも、風防磨きはオーバーホール料金の中に含まれますので、サービスとなるのです!
表面に傷がついてしまった場合でも、研磨すれば元通り近い状態に戻りますが、頻繁に研磨を繰り返すと研磨した部分が薄くなってしまい、強度が下がってしまいます。
風防だけではないブローチの外装磨き
今回はオーバーホールだけでしたが、当店では同時進行でポリッシュ加工も施すことができます。ポリッシュ加工とは簡単にいうとケースやブレスの表面を研磨することです。こうすることで表面の細かい傷が消え光沢が出て購入した直後のような美しい状態になります。
研磨にはバフモーターという機材を使います。ほとんどのブレスはポリッシュ加工(時計のケースやブレスレットが鏡のように物を映し出すほどの仕上げ方。主にバフモーターを使用し、職人の手作業により磨き込まれるのが一般的。鏡面仕上げとも呼ばれる。)とサテン加工(金属部分の表面に細かな傷を非常に狭い間隔で付けることにより、映り込みを無くし方向性のある艶消し面に仕上げる加工方法。絹地(サテン)に似た質感を施すため、そのように名付けられた)が施されており、ベルトひとつひとつをマスキングし、バラしながら行います。
機械式の時計は定期的な手入れをすれば一生ものであると言われています。もしお使いの時計に不調が出ましたら是非とも、一度ご相談にいらしてください。
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