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SEIKO グランドセイコー 8N65-8000のオーバーホール。

1月 3rd, 2019

グランドセイコー GS オーバーホール(分解掃除) 時計修理

電池交換依頼で持ち込まれましたが、油の状態も悪かったため「次回の電池交換時にはオーバーホールをオススメします」とお伝えしたところ、オーバーホールに変更になりました。

クォーツ時計の状態が悪いままお使いになっても一旦は問題はりませんが、時計が駆動するのに多くの電力を消費するので、通常2年以上は持つはずの電池が1年や半年で切れてしまったり、内部の歯車に負担がかかっていることも少なくないため、摩耗パーツが通常よりも早くダメになってしまう可能性があるなどの問題点があります。定期的なオーバーホールは大切な時計を長持ちさせるためにはとても重要な作業と言えるのです。

GSグランドセイコーの分解掃除オーバーホールは新潟市ブローチ時計修理工房へ!

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~現行、9Fクオーツの兄貴分~

今回お預かりしたGSは平成元年式のキャリバー8N65を搭載した30年程前のGSです。通称「8Nグランドセイコー」クオーツのキャリバーです。これは当時SEIKOの高級腕時計ラインに搭載されていた最先端の年差ムーブメントでした。昭和45年に生産中止となっていから昭和63年に復刻、復活したGSでしたが、当時はGS専用のムーブメントではなくセイコーの最高峰ムーブメントを共有で使用していたんですね!

最高の時計作りのコンセプトで進められるGS企画ですが、この前モデルである95グランドセイコー(95系9581やカレンダー有り9587)が昭和45年に生産中止となって以降の復活第一号で、まだまだ改良改編の余地があったのかもしれません。8N45は95GSから改良されて防水性能は10気圧まで高められましたが、動力のトルクは依然として低く針が細い事や、カレンダー窓も小さかったので現行のようなパワフルな動きは出来なかったようです。今見ると針が太くてカレンダーの大きな特徴的なサイズ感とは一線を画すモデル、細い針が逆に上品に見えますね、流石にGSこれはこれで綺麗です。
この8N65の次世代機として開発されたのが現行の9Fクォーツです。この8N65は9Fクォーツの兄貴分ともいえる機械なのです!
30年も前の時計ですから今では8N65を手に入れることは出来ません、お持ちのお客様にとっても唯一無二の腕時計だと想像されます。気合を入れてオーバーホールさせていただきました!次回はケースポリッシュもお待ちしております。

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PS:グランドセイコーとは1956年、諏訪精工舎が独自設計した中3針腕時計「セイコーマーベル」が前進です。当時の日本のものつくりは欧米に追い付け追い越せで進められていました。諏訪精工舎もスイス時計の模倣ではなくオリジナルで設計したセイコーマーベルを世に送り出したのです。そしてセイコーマーベルは日本のモノ作りを代表するような高精度とモダンなデザインが世界的に評価されて人気を博します。

諏訪精工舎は1959年に、さらなる精度の高さを追求した「セイコークラウン」を発売。高精度でしかも壊れにくく堅牢な精工舎の時計は高い評価を受けます。そして1960年、セイコークラウンをベースに特別仕様として開発された「グランドセイコー」が発表されます。初代グランドセイコーはスイスの公式クロノメーター検定局が実施する精度テストと同等(クロノメーター基準の優秀級)を独自にGS規格として定めており、社内テストでこれに合格したムーブメントだけが組み込まれました。

新規格となる秒針規制装置や緩急針微調整装置を新たに搭載し、軸受けとなる石(ルビー)を増やし、ムーブメントに金を使用して高級仕上げを施すなど「グランドGRAND」の名にふさわしいモデルとして発表されたのがGSグランドセイコーなのです!マーベル⇒クラウン⇒グランドと進化してきたわけです。発売価格は25,000円(物品税別途)。当時の大卒初任給が約13,000ですので約2倍という価格設定でした。

 

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