こんにちは。ブローチ時計修理工房蒲田店です。今回は数あるロレックスのタイプの中からGMTマスターについてご紹介致します。陸のエクスプローラー。海のサブマリーナ。そして空のGMTマスターと言われていますがどの様な経緯で誕生して、どういった進化を遂げていったのか。早速ご紹介致します。
航空会社からの要請で誕生
ロレックスは当時世界一の航空会社と呼ばれていたパンアメリカン航空(PAN AM/パンナム)にパイロットウォッチの製作を打診されました。航空会社がロレックスに求めたパイロットウォッチは出発地と目的地の2つの時間を一度に確認できる時計でした。ロレックスはその依頼に応え、1955年に画期的な時計を作り上げます。それこそがGMTマスターです。GMTマスターは24時間で一周するGMT針に両方向回転式ベゼルを持つ「空」の時計であり、この2つの機能を駆使することでパイロットたちは出発地と目的地の2つの時間を正確に判断できるようになりました。期待以上の時計の誕生にパンアメリカン航空は感服し、同社はGMTマスターを公式時計に正式に採用します。その結果、GMTマスターは世界中のパイロットから熱烈な支持を集めるパイロットウォッチとして人気を集めるようになります。
進化し続けるGMT
GMTマスターが誕生したのは1957年の事です。そこから60年以上の歴史がありましたがGMTマスターは数多くの変化をしてきました。簡単にその歴史を振り返ってみましょう。
【1954年-1959年】 GMTマスターRef.6542
GMTマスター初代モデル。2023年現在まで殆ど違いが無いほど、初代でデザインは完成された物でした。
【1959年-1980年】GMTマスター Ref.1675
第2世代GMTマスター。約20年間愛された定番モデルです。搭載ムーブメントはcal.1566 1965年以降はcal.1575が採用されています。
【1981年-1988年】GMTマスター Ref.16750
3代目GMTマスター。見た目は変わらないのですが防水性能が格段にアップしているのが特徴です。インデックスに縁があるタイプと無いタイプがありますが、無い方が前期型の為、希少価値が高いです。
【1983年-1988年】GMTマスターII Ref.16760
GMTマスターの上位モデルとしてリリースされたGMTマスターⅡ。最大の特徴は短針を単独で動かせる機能が追加された事。また、他のGMTとの差別化の為、ベゼルを黒と赤にしたモデルが登場。ファットレディとの相性で愛された時計です。
【1989年-1999年】GMTマスター Ref.16700
GMTマスター1の最終モデル。風防がサファイアガラスに変化しているのが特徴です。
【1989年-2007年】GMTマスター II Ref.16710
GMTマスターIIの第二世代モデル16710。1990年~2007年まで発売されたファットレディの後続機として発売されたモデルです。16710はファットレディよりも薄い設計となっているため、見た目は似ていても明確な違いがあります。2007年のモデルではパラクロムヒゲゼンマイが採用されています。
【2007年~】GMTマスターII Ref.116710
GMTマスターIIの第3世代モデル116710。Cal.3186搭載、100m防水性能、サファイアクリスタル風防、トリチウム夜光といった基本的な特徴は旧作の16710とほぼ同一ですが、トリプロックリューズやセラミックベゼルの採用など、細かな箇所が進化を遂げています。
【2018年~】GMTマスターII Ref.126710
現行のGMTマスターⅡ。ムーブメントには今作の為に作られた新ムーブCal.3285を搭載。香箱の構造が一新されたことによりパワーリザーブが70時間に延長されています。
60年以上の歳月を経て様々な機能は追加されたものの、外見は殆ど変化すること無く販売され続けてきたGMTシリーズ。今後ともに大きな変化をする事は無く、圧倒的な機能性で我々を楽しませてくれる事でしょう。
BROOCH時計修理工房は、免税対象(TAXFREE)店舗です。スイス高級時計ROLEX(ロレックス)やCARTIER(カルティエ)のアンティーク販売、日本製SEIKO(セイコー)の現行モデル正規新品を販売しているSEIKOの正規取扱店です。また、オーバーホール(分解洗浄)、ポリッシュ加工(ケース・バンド)外装磨き、電池交換、コマ調整、バネ交換、バンド交換など、ありとあらゆる修理・作業を承っております。修理だけでなくアンティークウォッチの販売、革ベルトの販売、ベルトオーダーなどの販売も行っております。ベルト交換やアンティークウォッチの購入の際はBROOCH時計修理工房までお越しください。大切な人から頂いた時計、思い入れのある時計、お使いの時計に不具合等ありましたら、是非一度ブローチ時計修理工房へお越しください。