Peace-ピース- オーバーホール 修理
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Peace-ピース- オーバーホール(分解掃除) 修理
今回は一風変わった時計をお預かりしました。
タバコのPeaceをご存知の方も多いかと思いますが、そのノベルティ時計(非売品)のオーバーホールご依頼です。
お持込み頂いた時は、電池を交換しても動かないとのことでしたが、脱磁をしてみたらしっかりと動き出したのでこのままオーバーホールを進めたいと思います。
非売品。緊張のオーバーホール
オーバーホールを行うため点検しながら分解します。
まずは、時計ケースから機械部分を取り出します。
このエンブレム見覚えのある方も多いかと思います。
どんどん分解していきます。
次は、針・文字盤を外します。
時計の最重要部分ムーブメント(写真左)が姿を現しました。
オーバーホールは、このムーブメントのパーツをすべて分解し、洗浄・注油・組み直しという手順です。どの作業工程でも点検は怠らず作業します。
クオーツ時計の一般的な精度は月差±20秒程度とされているため時刻合わせもせいぜい半年に一度程度と言われています。
シチズンのムーブメントが入ってました。いくらノベルティとはいえ安心できるムーブメントを使用している辺りが日本人らしさを感じます。
では、ムーブメントの分解に入ります。
パーツを外すとまず、輪列・コイル・クオーツが現われました。
この三つの歯車が時計の針を進める歯車です。
歯が欠けていないかなどしっかり点検します。
こちらが、コイル・ステータ・ステップモーターです。
ムーヴメントは水晶やIC、コイルなどの回路とよばれる電子部品で制御されています。
水晶は真空のカプセルの中に音叉のような形状のものが入っています。
水晶は1秒間に32,768振動もするんです。それを3つの回路で調整し、モーター部(ステップモーター)を動かす駆動信号に変換します。
すべてのパーツを分解し並べるとこのような状態
クオーツ時計の大部分は電子制御なのでパーツは少ないですが、並べるとそれなりには見えます。
機械式時計になるとパーツの量はこの5~10倍はゆうにあります。そのどれもが必要不可欠で些細な破損も許されません。そして、パーツひとつずつの役割をしっかり把握していなければ、オーバーホールはもちろん、時計修理は行えないといっても過言ではありません。
時計によっては500をも超えるパーツひとつずつの役割、機能を把握している時計師って凄過ぎませんか?(笑)
注油箇所に適した油とは
パーツをひとつずつ洗浄します。
このベンジンという染み抜きなどにも使うこともできる揮発油でと刷毛を使ってひとつずつ丁寧に洗浄していきます。ベンジンは揮発性が高い液体なので水分に弱い時計機械を洗うのに最適です。
全ての洗浄が完了したら、組み直していきます。
この時要所要所に油を注していくのですが、ただ油を注せばいいというわけではありません。パーツとパーツが摩耗する場所、駆動頻度の高い場所など、その箇所にあった粘度の油を注していきます。
それぞれ、重さも粘度も違う油なので注油箇所に適した油を選び注油していきます。
全てのパーツを組み直し終えたら、電子制御の為ランニングテストを行います。クオーツ時計は精度が命なので、遅れが出ないかが肝心です。当店では、磁気を帯びていない状態で1~2秒の遅れはムーブメントの交換をしております。
このような手順でオーバーホールは行われます。
ケースに収まると文字盤の青色も一層綺麗に見えます。
BROOCH時計修理工房 紫竹山店 新潟県新潟市中央区紫竹山3丁目8-33 TEL 025-246-0007
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オーバーホール | ¥22,000(税込) |
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