ロレックス サブマリーナのオーバーホールとポリッシュ加工の依頼です。
ロレックス サブマリーナ オーバーホール(分解掃除)ポリッシュ加工(外装磨き)修理
サブマリーナはロレックスがダイバーズウォッチとして開発しました。シンプルで無駄がない造りなので、仕事でもプライベートでも活躍することができます。またダイバーズウォッチであるが故の高い防水性から釣り人などの水辺によく行かれる方からも人気を集めます。
今回はサブマリーナのオーバーホールとポリッシュ加工の依頼です。
まずはムーブメントを分解し洗浄し、注油しながらくみたてていきます。
~オーバーホール(分解掃除)~
オーバーホールはただ部品を分解してから洗って組み立てるだけの作業ではありません。分解する段階で不具合の原因になっている箇所を見つけ出すという、人間に置き換えると定期健診・健康診断のような役割も持っています。たとえば、分解していきながら部品に破損がないかチェックして、歯に欠けがないか、汚れは溜まっていないか、油が切れていないか、部品に擦り傷がついていないかなども確かめます。
下の写真は汚れが溜まっていた時のパーツです。
(赤茶になっている所が汚れ、その周りに擦れから黒くさびてしまっています)
この汚れは部品同士がこすれて出てきたものと、乾いて固着した油が混ざったものです。これらは歯車が動くうえで大きなパワーロスにつながります。特に機械式時計はクオーツ時計よりも強いテンションが部品にかかっているため、汚れの量もかなり多いです。そのためクオーツ式よりも短い間隔でのオーバーホールが必要になるのです。
注油の必要性
オーバーホールは部品に破損がない限り元の部品をそのまま使って組み立てていくことになりますが、もし破損した部品がある場合は新しいものに交換する必要があります。その場合はオーバーホール料金とは別に、部品の代金がかかります。組み立てる際は、時計が動くときに負担のかかる箇所に油を注します。
クオーツ時計は機械式と比べて力が弱いため全体的に軽い油を注していきます。ただしリューズの根元の時間合わせやカレンダー合わせを切り替える機構には、大きな負荷がかかるため、重い油を注します。
時計は初めから最後まで一気に組み立てていくのではなく、段階ごとに動作チェックをしながら進めていきますこうすることで、組み立てていく段階でも不具合や組間違いを見つけることができるからです。
ご購入当時の様に美しく
今回は同時進行でポリッシュ加工を施します。ポリッシュ加工とは簡単にいうとケースやブレスの表面を研磨することです。こうすることで表面の細かい傷が消え光沢が出て購入した直後のような美しい状態になります。
作業終了後の写真がこちらになります。
研磨にはバフモーターという機材を使います。ほとんどのブレスはポリッシュ加工(時計のケースやブレスレットが鏡のように物を映し出すほどの仕上げ方。主にバフモーターを使用し、職人の手作業により磨き込まれるのが一般的。鏡面仕上げとも呼ばれる。)とサテン加工(金属部分の表面に細かな傷を非常に狭い間隔で付けることにより、映り込みを無くし方向性のある艶消し面に仕上げる加工方法。絹地(サテン)に似た質感を施すため、そのように名付けられた)が施されており、ベルトひとつひとつをマスキングし、バラしながら行います。
ステンレス素材は確かに頑丈ですが、汗や皮脂などの汚れをそのままにしておくと、腐食してしまうこともあります。腐食してしまった部品は我々時計師でも直すことは不可能です。特に本モデルのような何十年も前に製造されたモデルであれば、なおきおつけなければなりません。部品も新しく仕入れることもできないので、今あるものを大切につかっていくしかありません。保管する際はなるべく汚れを落としてから保管されることをお勧めします。
機械式の時計は定期的な手入れをすれば一生ものであると言われています。もしお使いの時計に不調が出ましたら是非とも、一度ご相談にいらしてください。
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