動かなくなってしまった大正時代の懐中時計【WALTHAM(ウォルサム)】
依頼内容
WALTHAM(ウォルサム)はウォルサム・ウォッチ・カンパニー(Waltham Watch Company)という正式名称で、1850年に開業した懐中時計が時計ブランドです。この当時は時計の部品を量産することが難しく、また組み立て時には1つずつ調整が必要であったことから時計会社の多くは長く続きませんでした。そんな中、パーツの交換可能なシステムを採用した高性能ムーブメントの機械生産開発(アメリカンシステムと呼ばれるオートメーション化)に初めて成功し、時計作りに大きな進歩をもたらしました。この苦労の甲斐あって、アメリカ大統領のリンカーンにも愛用されるアメリカ最古・最大手の時計メーカーとなりました。今回は、おじい様からもらったWALTHAMの懐中時計が止まってしまったためご依頼頂きました。
修理内容
①オーバーホール
今回の時計はアンティーク品であったため、パーツの手配が困難なことが予想されました。腕時計でも30年以上経っているものだと、メーカーがパーツの製造を中止している場合があります。こうなると部品の交換が難しくなるため、オーバーホール不可となる可能性があります。今回は角穴車という部品のネジが緩んでいるため動かなかったようです。その為部品交換の必要が無く修理出来ました。
②精度点検
オーバーホールが済んだ後は必ず精度点検を行っています。アンティーク品になるとどうしても精度が低くなってしまいますが実用可能な日差まで調整させていただき、お渡ししています。
時計師のコメント
アンティーク品のため、普段よりも注意しながらの作業となりました。昔の時計はゼンマイなどが柔らかいため変形しやすいです。また先述の通り部品の手配が困難である可能性が高いため、動いている内にオーバーホールすることを強くお勧めします。是非悩んでいる方は一度当店にご相談ください。
BROOCH時計修理工房とは
BROOCH時計修理工房では、アンティークウオッチ販売、オーバーホール(分解洗浄)は、ポリッシュ加工(ケース・バンド)外装磨き、電池交換、コマ調整、バネ交換、バンド交換など、ありとあらゆる修理・作業を承っております。また、修理だけでなくアンティークウォッチの販売、革ベルトの販売、ベルトオーダーなどの販売も行っております。ご相談だけでも承っております、お気軽にご相談下さい。