こんにちは。ブローチ時計修理工房蒲田店です。今回はオメガスピードマスターについて、どんな時計なのかご紹介しようと思います。NASAの公式装備品に選ばれ、人類初の月面着陸に同行したことで「ムーンウォッチ」の愛称で親しまれてきたオメガのアイコンウォッチ、「スピードマスター」長い間オメガの看板時計として君臨している訳はどういった事なのでしょうか?支持され続け多くの人に愛用され続ける理由を見てみましょう。
初代スピードマスター
オメガがスピードマスターを世に送り出したのは、1957年。今から60年以上前の事。1950年~1960年頃というのは、近代時計史において非常に意義深い時代です。ロレックスではサブマリーナ、ブライトリングではナビタイマー、ロレックスのGMTマスターと現在においても活躍しているシリーズが世にお披露目された所謂【スポーツウォッチ】でした。オメガはこの時代「マスターシリーズ」として新作を発表。【シーマスター】【レイルマスター】そして【スピードマスター】でした。当初はモータースポーツ用の時計として誕生しました。初代は宇宙とはなんの関係も無いんですね。ちなみにスピードマスターは、ダイヤルではなく外周ベゼルにタキメーターを表示した世界で初めての時計と言われています。当時画期的だったこのデザインは、レーサーの視認性を高めたと共に、デザイン面でも以降のクロノグラフに多大な影響を与えました。
これが後々に1stモデルと呼ばれるようになります。
2代目スピードマスター
初代スピードマスターから2年後、スピードマスターはデザインを変更したセカンドモデルを発表。針がアロー型からアルファ型に変更。主にセカンドモデルと呼ばれ、実は初めてオメガの時計で宇宙に行った時計なんですね。
3代目スピードマスター
2代目スピードマスターから更に数年後、第三世代が登場します。この時のモデルチェンジは針の形状がアルファ針から白ペイントのバトン針へと変更されています。これによりさらに視認性が高まりました。そしてこの世代が月面調査に使われたモデルである事はとても有名ですね。アメリカとソビエトのロケット競争が激化していたこの時代。NASAは宇宙での過酷な環境にも耐えうる丈夫な腕時計を探していました。宇宙飛行士のための腕時計を求めるNASAが行ったテストは、70℃で48時間(さらに93℃で30分)の高温、-18℃を4時間までの低温での検査をはじめ、高熱の蒸気を当てられたり、40Gの負荷をかけられたり、急激な温度変化や気圧変化にさらしたりといった、非常に過酷なテストでした。オメガの他にCal.30chを搭載したロンジン、バルジュー72を搭載したロレックスなど、10社ほどの時計が集められたそうですが、このNASAのテストを経て、最後までクロノグラフ機能が稼働していたのは、オメガのスピードマスターだけだったと言います。
4代目スピードマスター
そして1965年、スピードマスターは第4世代に突入します。ケースは左右非対称に、リューズガードが3時側に取り付けられる形になります。そして、この年NASAは宇宙飛行士標準装備としてスピードマスターを正式採用。1966年からオメガに正式に発注することになります。
5代目スピードマスター
1968年、スピードマスターは第5世代に突入しました。外装に変化はありませんでしたが、搭載ムーブメントがCal.321からCal.861へと変更されました。クロノグラフのクラッチが複雑な形状のコラムホイール式から合理的なカム式へ、テンプのひげゼンマイが平ひげに変更され、振動数は18,000から21,600とハイビートに。精度の安定化を図りやすくなっています。
以降もスピードマスターは世代を超えて愛され続け現在のモデルに行き着く流れになるのでした。現行モデルとほぼ形は変わらず愛され続けるのには、スポーツウォッチ始まりから宇宙、月面調査に耐えうる実績があったからに他なりません。そして今後も10年20年50年100年とその偉業を称えながら進化して行く事でしょう。
BROOCH時計修理工房では、オーバーホール(分解洗浄)、ポリッシュ加工(ケース・バンド)外装磨きだけでなく、電池交換、コマ調整、バネ交換、バンド交換など、ありとあらゆる修理・作業を承っております。ロレックス、オメガ、等の舶来時計も大歓迎!また、修理だけでなくアンティークウォッチの販売、革ベルトの販売、ベルトオーダーなどの販売も行っております。ベルト交換やアンティークウォッチの購入の際はBROOCH時計修理工房までお越しください。大切な人から頂いた時計、思い入れのある時計、お使いの時計に不具合等ありましたら、是非一度ブローチ時計修理工房へお越しください。ご相談だけでも承っております、お気軽にご相談下さい。