BROOCHブローチ時計・宝石修理工房 > ブログ > 神田店 > 【Cartier】王室に愛された宝石商が生み出した時計
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こんにちは、ブローチ時計修理工房神田店の32です。

私がレポートしたブログも10本を超えましたが、まだまだ時計の世界は未知の世界で奥が深すぎます。さて、なぜいままでこのブランドをレポートしてこなかったのか自分でも不思議に思うブランドを残していたので今回は、そちらをご紹介します!それは、【Cartier-カルティエ-】。灯台下暗しでした。。。

時計に全く知らなかった私が、Cartierに抱いた第一印象は「ネジ」でした。時計はもちろん、ブレスレットや指輪などのアクセサリー類などカテゴリー問わずさまざまなアイテムに「ネジ」が使われていたり、デザインの一部だったりと、大々的に使われていますよね。もちろん使われていないアイテムもあります。では、なぜこのようなデザインが生み出されたのか、そちらも掘り下げて行けたらと思います^^


「宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商」といわれたCartier

カルティエは、創業者 ルイ=フランソワ・カルティエが1847年に創業したフランスの高級宝飾店として歴史はスタートしました。数年でパリにジュエリーブティックを開き、フランス皇帝ナポレオン3世の皇后を顧客とする、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長していったブランドです。1940年代前後には、王室御用達として15か国もの王室に愛されていました。現在ではパリ本店入口に9王室の紋章が掲げられているそうです。イギリス王エドワード7世が、「宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商」という言葉を残した事でも有名です。この名誉あるお言葉を頂けるうえに、入口に王室の紋章があるブティックって次元が違いすぎますよね。。。

ジュエリーが原点のカルティエですが、時計メーカーとして歴史を紡ぎ始めたのは創業から約40年後でした。当時、ブレスレット部分にダイヤモンドをあしらった女性用のブレスレット型の時計を世に発表し、懐中時計が主流だった時代に女性にとってジュエリーのような時計として位置づけました。3代目ルイ・カルティエが経営に携わるようになったのをきっかけに、独自のデザインを取り入れた時計制作に踏み切ります。それまで、宝石商として培ってきた金属加工の技術は、カルティエならではの強みとなり、その経験から採用されたのが、プラチナです。他社よりも早く1900年に取り入れました。

Cartier(カルティエ)サントスオクタゴンref.187902のフェイスアップ

世界初の男性用腕時計を生み出したことも、時計を語るうえでカルティエが外せないブランドの一つとなる理由でしょう。男性用腕時計「サントス」は、当時の飛行家たちには革命的なアイテムとなります。それまで懐中時計が主流とされてきましたが、飛行中は、両手操作が基本のため、片手で懐中時計を取り出すことは難しく、腕時計に類するものはあったものの、腕を振ると簡単に外れてしまうという致命的な欠点がありました。そこで、カルティエが彼らの「飛行中にも簡単に時刻が分かる時計」という要望を実現し、サントスは誕生しました。ちなみにサントスという名前の由来は、ルイ・カルティエの友人である飛行家サントス=デュモンの名前からとったとされています。友情から生まれた時計、素敵ですよね^^

ビスにも様々な意味を与えるカルティエ

盤面やケース回りは使用感のコキズ・スレ跡がわずかにあります

さて、冒頭でも少しふれましたネジや釘をモチーフにしたアイテムが多数あるカルティエ。時計のシリーズですと「サントス」にビスがデザインとして取り入れられていますよね。サントスのデザインで使われているビスは、飛行機のボディパーツを繋ぐビスから着想を得ており、初代が世に発表されてから約100年以上たった今もなお、現行ラインはさほど変わることなく現在まで受け継がれているそうです。実はこのモチーフ、カルティエのアクセサリーシリーズで有名な「LOVE」シリーズだと違う意味に変貌します。実際にマイナスドライバーで付け外しをするラブブレスは、一人で付けることが出来ません。イコール「自分には、これをつけてくれるパートナーがいる」ということを表現しているそうです。ヨーロッパの昔の風潮からヒントを得ていて、「愛の絆」と「束縛」をテーマに作られ、「永遠の愛」の象徴として愛の手錠ともいわれています。ほかにも一本の釘を意味し、見た目もまさにその名の通りのブレスレット「ジュスト アン クル」。ありふれた普段身近にあるものすら、オシャレとして改めて日常にとりいれてしまうカルティエ。当店にもカルティエのアンティーク・ヴィンテージ時計の展示販売やオーバーホールなどのメンテナンスのご依頼もお受けしております。是非一度、当店へお立ち寄りくださいませ。


神田店の外観

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