こんにちは、ブローチ時計修理工房神田店です。
シンプルな2針の文字盤や自動巻きの機構が文字盤側からも見られるデザイン、木製で作られているデザインなど、時計の歴史が始まってから今まで様々なデザインが、たくさんのブランドから世に発表されてきました。そんな中でも、珍しい「万華鏡のような文字盤」をもつ時計をご存知でしょうか?本日は、そんな不思議な時計【アーネストボレルのカクテル】という時計のご紹介です。
時計職人の祖父母に育てられて培われた時計への想い
日本では、時計好きの中でも知る人ぞ知るブランド・アーネストボレルは、1856年 時計王国であるスイスで創業され、今年で創業167年というかなり老舗の時計ブランドです。前後の年では、ルイヴィトンやパネライなどがその歴史をスタートさせており、アーネストボレルの歴史の長さと重みをより感じます。アーネストボレルの創業者であるジュール・ボレルは、時計職人だった祖父母に育てられ、幼いころからいつも時計がそばにある環境で育ちました。最初はとても小さな工場から始まり、独自のブランドを築き上げることを志し、細部にまでこだわって開発していました。その思いは、着実に評価されていき、素晴らしい時計を作りたいと夢見た若きジュール・ボレルは、その道を着実に歩んでいきます。
万華鏡の美しさを閉じ込めた文字盤
リューズを巻くと中心部分が、万華鏡のように美しく回転する文字盤がデザインされたシリーズ【カクテル】。このシリーズは、アーネストボレルの代名詞ともいえる時計で、なんと1958年頃に世間に発表され、当時から高い人気を得ていました。カクテルが発表される以前には、国際的な博覧会で受賞し、世界的時計ブランドにその名を刻み、着々と創業者 ジュール・ボレルの夢は現実になりつつありました。ジュール・ボレルが第一線を退いた後は、息子のアーネスト・ボレルが父の遺志を継ぎ、スクリューやプッシュパーツなどのアクセサリーの開発に力を注いでいました。その結晶が、受け継がれ続け、1958年になると経営者は3代目のジェーン・ルイス・ボレルになり、この年のニューシャテル天文台の時計コンクール第2部門で、クロノグラフが第1位を獲得しました。同年に発表されたカクテルの人気も彼らが、初代の想いをしっかりと繋いできた証ともいえるでしょう。
現在は、ドレスウォッチ・カジュアルウォッチを中心に男性用と女性用の自動巻き式・クオーツ式を製造しています。ちなみに、アーネストボレルのトレードマークは、ドレスを着た女性と紳士的な男性が手を取り見つめ合い、女性のドレスの裾に時計の文字盤が描かれたモチーフを採用しています。このマークは、若かりし頃のジュール・ボレルが、社交界のダンスパーティーに出向いた際のあるシーンからインスピレーションを得ていると言われています。当時、そのパーティーでとある女性に一瞬で目を奪われ、彼は、彼女のダンスの相手役を申し出ます。2人のダンスは、その場にいた人たちを魅了し、ある写真家は、2人をフィルムに収めました。その一連のロマンチックな出来事をジュール・ボレルは、「時が止まった」と感じ、そこから彼の想像力は掻き立てられ、その瞬間をアーネストボレルのトレードマークのイメージとして採用しました。このエピソードは、「時計作りへの情熱を燃やし続け、そうして愛し合う恋人たちのイメージはいつまでも消えない形象」として今も語られています。
今回は、ブローチ時計修理工房 神田店でヴィンテージウォッチとしても取り扱っております、【アーネストボレルのカクテル】のご紹介でした。少しでも気になった時計愛好家の皆様、時計をお探しのお客様は、お気軽に神田店へお越しください。
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