こんにちは!BROOCH時計修理工房万代店です。皆さんは音叉時計という時計があるのをご存知でしょうか?今回はその「音叉時計」とは何なのかを深堀りしていきたいと思います!
音叉時計とは?
音叉時計とは、今ではなかなか出会う機会の少ない「音叉を利用して駆動する時計」です。
1960年代に「ブローバ」という時計ブランドの、マックス・ヘッツェルという技術者が発明した時計です。音叉時計は従来の機械式時計よりも精度が高く、日差±2秒という正確さを誇りました。
しかし、1969年にSEIKOがクォーツ時計の先駆けとなるモデルを発表し、その後1970年代のクォーツショックにより、音叉時計はほとんど姿を消していきました。つまり音叉時計とは、機械式時計とクォーツ時計の間に生まれた時計なのです。
そもそも「音叉」とはどういう物かというと、U字形の鋼棒の中央突端に柄(え)をつけた金属器具です。決まった振動数の音を発する道具で、楽器などの調律に使用されます。
音叉時計の中には小さな音叉が組み込まれており、コイルに電圧をかけることで音叉が振動し、1秒間に360振動という、機械式では得られない振動数で時間を刻むことが可能でした。
また、音叉時計はクォーツ時計よりも早い段階で電池を動力源としていた時計であり、水銀電池が使用されていました。しかし、地球環境保護の観点から徐々に使用を廃止する傾向になり、やがて生産中止となりました。
現在は腕時計用のボタン電池を使用するようになりましたが、水銀電池との若干の電圧差から、音叉の振動数に影響がおよんで、結果的に針が早く進んでしまうこともあります。
一番大きな特徴は音です!機械式時計はカチカチという音が聞こえるのに対し、音叉時計はキュイーンという独特な動作音が聞こえます。これは音叉時計ならではの特徴ですね!
当店にお持込み頂いた音叉時計
こちらの写真は、BROOCHにお持込み頂いたOMEGA(オメガ)【エレクトロニック f300】という音叉時計です!
このモデルは1970年代の時計で1秒間に300振動します。文字盤にも300Hzと記されていますね!
音叉時計のムーブメントの写真です。
オメガの時計なのですが、中のムーブメントは音叉時計を開発した技術者の「マックス・ヘッツェル」が在籍していた、「ブローバ」製のムーブメントです。
音叉はムーブメントを覆っているプレートの下にあります!
まとめ
今回は音叉時計をご紹介させていただきました。機械式時計とクォーツ時計の間に生まれた音叉時計に、興味を持って頂けたでしょうか?
BROOCH時計修理工房では、オーバーホール(分解洗浄)、ポリッシュ加工(ケース・バンド)外装磨きだけでなく、電池交換、コマ調整、バネ交換、バンド交換など、ありとあらゆる修理・作業を承っております。
また、修理だけでなくアンティークウォッチの販売、革ベルトの販売、ベルトオーダーなどの販売も行っております。
ベルト交換やアンティークウォッチの購入の際はBROOCH時計修理工房までお越しください。
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