テンプ
アンクルの動きを調節する「調速機」
「テンワ」「テン真」「ヒゲゼンマイ」「振り座」からなり、時間をつかさどる時計の心臓部。上の写真はロレックス キャリバー3135のテンプです。ブレゲに多い巻き上げヒゲを搭載したタイプになります。
天真に固定されているヒゲゼンマイはテンプの命で、ヒゲとは、リボンのような金属帯がゼンマイのようにきれいに巻かれているスプリング状のものです。香箱に入っているゼンマイよりも遥かに小さく、正確に形を整えられています。
テンプの振動が多ければ多いほど根本的には正確に時間をコントロール出来るようになります。
よく28,800振動なんて聞いたことありませんか?
テンプが1秒間に8振動すると1時間あたりの振動数は28,800振動になります。
60秒×60分=3600秒×8振動=28,800振動
この振動数が大きいほど時計としての正確さは増します。しかし、それと引き換えに、ゼンマイが早くほどけてしまうため、パワーリザーブは少なくなってしまいます。さらに、部品同士の接触回数も多くなってしまうため摩耗も早くなるという弱点があります。
逆に振動数が少ない時計は精度が落ちる代わりに、ゼンマイがゆっくりほどけるため、パワーリザーブが長めになります。さらに部品の摩耗も少ないです。
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