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ムーブメントの巻き芯の通っている部分のネジが外れている状態のデイデイトref118238

今回は、オーバーホールはなぜ定期的に必要なのかについてお話していけたらと思います。

なぜ定期的にオーバーホールが必要なの?

ロレックスデイデイトref118238の裏蓋を開けて破損状況を確認

ROLEX オーバーホール事例

まずは、なぜ定期的にオーバーホールが必要なのか?というところですが、簡単に申し上げますと「オーバーホールをしないと時計が壊れてしまう」からです。時計は沢山のパーツが嚙み合って動いています。そして、それらの摩擦を軽減するために油(オイル)が使われています。このオイル、実は5年ほどで乾いて固まってしまうのです。時計に使われるオイルは人口的に作られたもので乾燥しにくく、非常に高価なのですがやはり油であることに変わりはないので時間と共に固まってしまいす。この乾いた油がこれまで潤滑油だったにもかかわらず、残念ながらパーツの摩耗を速めてしまうのです。よくキッチンのコンロや換気扇周りに長い間付着してしまった油が固まって中々落ちない事ってありませんか?まさにあの状態が時計の中でも起こってしまうのです。そうすると歯車を回すためにより強い力が必要となり、金属同士が擦れ合い、パーツが削れてしまいます。削れてしまうと鉄粉が発生し更に機械を痛めてしまいます。

時計を使っていなければオーバーホールは必要ないと勘違いしてしまいそうですが、使っていても使っていなくても油は時間経過で乾いてしまいます。もし5年使わずに放置していた時計があったとしても、再度使う事になりましたら、使う前に必ずオーバーホールが必要です。オーバーホールは非常に高価ですし、実際には使用上なんの問題も無い事も多いです。しかし実際には中でパーツが削れてしまい、後のオーバーホールでパーツ交換が必要になってしまうと、更に料金が高額になってしまいますので5年ほどの頻度でオーバーホールに出して頂く事をお勧め致します。

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