フランクミューラー(Franck Muller) 修理 オーバーホール

修理ブランドFRANCK MULLER フランクミュラー

フランクミューラー Cal2800のオーバーホール依頼です。

フランクミュラーもで人気のコンキスタドールシリーズです。1990年代に一大ブームを巻き起こした時計ブランドです。フランクミュラーの出現で「独立時計師系」なる言葉が生まれたといっても過言ではないかもしれません。

まず、ブレスレットを外します、ケースからムーブメントを出し針と文字板を外します。

フランク・ミュラーと言えば特徴的な”トノーカベックス”のケースです。

このCal2800は、ETA(ムーブメントメーカー)のCal2892がベースになっています。色々な時計メーカーがそれぞれのブランドでの高級ラインのシリーズにこの2829ムーブメントを採用している名作時計です。そのためオーバーホールや修理の現場では担当させていただく機会も多く、今までにかなりの数を修理していますので。作りや仕組みは完全に頭に入っています!

オーバーホール分解掃除の手順は、この2829に限らず機械式時計であればほぼ一緒なので、今回は注油について少し詳しく説明します。

まずテンプの穴石の注油方法から。
テンプの上下の石は ショックから天芯を守るため受け石と穴石の組み合わせになっています。

受け石の内側に油をのせその上から穴石をかぶせます。油の量が適切でない場合もう一度石を洗ってやり直します。写真の受け石が直径1.2㎜です。注油する油は直径で0.5㎜位ですね、分解掃除に熟練してくるとオイラーという注油用の道具に適量が取れるようになります。

この様な感じになります。

次にガンギ車とアンクルへの注油です。この二つの歯車は対なのでアンクルのツメ石への注油について書きます。

このETA2892ムーブメントの場合、出ヅメの方が注油しやすいので出ヅメにオイルを注油します。
オイラーにツメ石用の油を少量付け

写真上で見ていただける通りにオイラーの先は10円玉の10という文字の淵程度の厚みしかありません、注油がとても繊細な作業なのが伝わるかもしれません。一度にアンクルとガンギ車に注油できませんので適量が大事なのですが、この辺も経験でどの程度というのを導き出していきます。

アンクルは、ムーブに組んだ状態でツメ石(出ツメ)の衝撃面に適量油のせる。

そして、ガンギの歯を7枚送り それを三度繰り返す。そうすると21のガンギ歯全てに油が行き渡ります。
次はテンプを組み込み穴石をセットします。

ヒゲゼンマイのセンターとフラットを調整したら測定器でチェックします。

日差プラス3秒とクロノメーター級の精度に仕上がりました。これはなかなか良い状態だと思います。

次に文字板をセットします。
この機械は、カレンダーが一瞬で変わるタイプではないので、カレンダー板が11:30頃から動き出す所で針をセットます。そうすると12:30までにカレンダーが変わり切ります。

各メーカーだいたいこのあたりでセットしている様です。これは固体差もあるので実際の時計の動きで判断してセットします。

針が平行にセットされているのを確認して(フランクミュラーのカーベックスケースはかなり湾曲した形をしているので針の先がガラスの内面に触らない様に かなり長針や秒針の先が曲げられています)後はケーシングです。

これで完成です。この後ケースポリッシュして仕上げていきます。