修理ブランドTAG Heuer タグ ホイヤー
「部品が外れたため時計が止まった。」という事で。持ち込まれました。
(バック スケルトン モデルのため、お客さま自身が確認できたようです。)
機械を固定するための板(機止め板)が折れたうえ、ネジも外れていました。
時期的な事と機止め板が折れるという事は大きなショックがあったことも考えられるので、オーバーホールを薦めたところ、了承して頂きました。
「カレラヘリテージ」の特徴の一つは、文字盤に広がる波紋状のデザインと、ダークブルーのインデックスと時針・分針です。
文字盤の彩色をダークブルー・ホワイトに2色のシンプルにしていることで、全体に統一性が生まれ、「シンプルながら完成度が高い」仕上がりになっています。
「時計は欲しいけど、あんまり派手なものはちょっと…」というお客様にオススメできる、イチオシのデザインです。
裏蓋を外した画像です。
カレラヘリテージは自動巻き式の機械時計になります。
自動巻き式は腕につけているだけでゼンマイを巻き上げてくれることが最大の特徴です。
仕組みとしては、手巻きに自動巻き機構をモジュール的に追加しています。
ムーブメントにローター(回転錘)というおもりが搭載されており、腕時計が動くと重力に引かれて回転し、ゼンマイを巻き上げてくれるのです。
また、ほとんどの自動巻きにはリバーシング(切替車)がついており、ローターが回ると一緒に回転します。
二つ付いているものは、ローターの回転が右回りにしろ左にしろ、機能するためのもの。
そしてこの動きが切替中間車から角穴駆動車に伝わり威力を増大し、角穴車を回転させ、香箱車に収められたゼンマイを巻き上げるという仕組みです。
(ちなみに毎回リュウズを回してゼンマイを巻く必要がある時計は手巻き式、そしてゼンマイがそもそも投入されておらず、電池を入れて動く時計はクオーツ時計と言います。)
こちらはメタルバンドの画像です。
メタルバンドをこれから磨いていきます。カレラヘリテージのバンドは、3つの大きなパーツと、その間に挟まるように細い2つのパーツの2種類で構成されているのですが、まず小さなパーツは、まるで鏡のような映り込みがするようになるまでしっかり磨いていきます(この加工をポリッシュ加工といいます)。しかし、大きなパーツははその反対で、磨いた後に細い線状のスジを付ける加工をしていく必要があります(この加工をスジ付け、又はヘアライン加工と言います)。この加工時にせっかく磨いた細いパーツにキズを入れてしまわないよう、慎重に作業していきます。
こちらが磨き終わったメタルバンドです。クラスプのキズも綺麗になりましたが、全体のスジ付け加工の中にあるポリッシュ加工がアクセントになっています。
拡大した画像です。加工前は両方に付いてしまったキズで境目が分かり難くなっています。
こちらが磨いた後です。拡大をしてみると、その差は一目瞭然です。
オーバーホール*メンバー価格 | ¥22,000(税別) |
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ブレス ポリッシュ*メンバー価格 | ¥4,000(税別) |