換算スケールについてご紹介致します
写真_BROOCH時計修理工房阿佐ヶ谷店
今回は、換算スケールの種類についてご紹介いたします。文字盤外周や、ベゼルに刻まれたさまざまな種類の目盛。人気モデルでは目盛りの種類だけでなく色や記された数字が違うだけでプレミアがつくこともあります。それでは、現行モデルに見られる換算スケールの種類をご紹介していきtます。
タキメーター
「tachy」は速さを意味する接頭語です。一定の距離を通過するのに要した時間を平均時速に換算するスケールです。「Base100」と記されたタイプなら、スタート地点から1000m=1㎞経過したところで停止ボタンを押せば、その時にクロノグラフ針が指す数値が平均時速になります。
テレメーター
「tere」は遠距離を意味する接頭語です。光速と音速の差を利用して経過秒数を遠距離に換算します。例えば雷が鳴った瞬間に起動し、音が聞こえた瞬間に停止すれば、クロノグラフ針が示す数字が落電地点までの距離になります。光速は無限、音速は秒速0.34㎞に設定し、0.34×nで換算するものが多いようです。音速は、気圧や気温や湿度で変わるため、あくまで目安としてしか使えません。しばしばタキメーターのおまけとして併用されることが多いです。
デシマルメーター
経過時間を60進法から10進法に換算します。文字盤を、100分割した目盛りで、1分の100分率を示します。つまり、0.6秒で一目盛りになります。
パルスメーター
こちらは、医師の需要から生まれた心拍計(パルス)メーターです。一定の脈拍を数えたところで停止すると1分間の心拍数が分かります。
アズモメーター
吐息を意味する「athma」に由来。パルスメーターと同じ換算方法で、「GRADUE POUR 00RESPIRATIONS」と記された規定の呼吸数を数えるまでに要した秒数から1分間の呼吸数を割り出します。同じ医師用として稀にパルスメーターと併用される以外は、あまり見られません。