タグ・ホイヤー WG1220-KO のムーブメント交換。

修理ブランドTAG Heuer タグ ホイヤー

「電池交換しても動かなくなったのですが修理できますか?」と持ち込まれました。先ずは時計の状態をチェックします。裏蓋を開けて中を見てみると巻き芯(マキシン)が完全に錆びていました。TAGHeuerのスポーツウォッチはリューズ部分がスクリュー型になっており裏蓋も完全防水仕様なので本来水入りには強いはずなのですが、、、おそらくリューズを上げたまま(空いたまま)お使いに成っておられたのでしょうか?

内部の錆も進行がひどく、しかも電池からは漏液も起こっており、水と漏液のダブルパンチでムーブメントの部品が腐食してしまっていました。オーバーホールで対処できない事も無いのですが、クォーツ時計の場合は機械自体を丸々新品に載せ替える修理の方がリーズナブルに行えますので、ムーブ交換をおすすめしました。

錆の出てしまっている巻き芯(マキシン)と電池装着部に帯びたたしい漏液の跡が、、、こうなると回路が不動になってしまったりして時計師が修理すことができない場合があります。

一応内部を確認いただいて作業をすすめました。

お預かりした時計はタグホイヤーの大人気シリーズ”セル”のコンビモデルです。本来200m防水を鍛造された堅牢なケースはスポーツ時計として作られていますので、外観からは時計がそれだけのトラブルを抱えていることは分かりません!

リューズとマキシン

リューズとは時計の時刻合わせをしたりするときに使うボタンのような部分です。そしてマキシン(巻き芯)はリューズで操作したことを時計に伝えるためのパーツです。上写真の横にあるのがマキシン。形を見ていただくと形状からも見ていただける通り、リューズと巻き芯は別の部品です。リューズを使う回転方向とは逆向きのネジで巻き芯をリューズに装着しているのです。時計の取っては一つのレバーのような部品になっています。
一般的には、巻き芯とリューズは、ネジとネジ穴の関係になっていて、ネジ山が切られた巻き芯を、ネジ穴のあるリューズに差し込んで締めこんでいきます。ただ締めこむだけでは強度が足りませんので、この接合部分を接着することによって、ぜんまいを巻く際や時刻を合わせるという操作の際に、取れてしまわないような強度を作り上げています。手巻きや自動巻きの時計の場合はリューズを開けて時刻調整やゼンマイをまくことが多かったのでリューズとマキシンは両方とも消耗品扱いで時期が来たら交換して当たり前のモノだったのです。

しかし今回のようなクォーツ時計の場合(しかも完全防水)はなかなかリューズを操作する言ことも無かったのではないかと思います。

今回様に巻き芯が錆びて腐食するレベルまで水入りした形跡があると、ご使用中にガラスが曇ってきたり水滴がついたりする水入りのサインが出ていたのではないかと想像しています。水入りは精密機械である時計にとって重大なトラブルへつながります。もし見つけたらお早めにプロの居る時計修理店へお持ちに成る事をお勧めいたします。

今回の時計は針夜光(ルミネックス)も劣化変色していたので、夜光も塗り替え外も内側も綺麗してお納めさせていただきました!