パワーリザーブとは?
機械式時計は”自動巻き”と”手巻き”に分けられますが、どちらも巻き上がった主ぜんまいが元の状態にほどける力を駆動力として針を運針しています。一度完全に主ぜんまいを巻き上げた状態から放置して時計が止まるまでの駆動時間を、パワーリザーブと呼びます。したがってこのパワーリザーブが長ければ長いほど、ぜんまいを巻く操作をせずとも時計が止まる心配は少なくなります。
パワーリザーブの仕組み
手巻き式時計は、リューズを巻きあげることで主ゼンマイは中心にどんどん巻き付けられ、最終的にそれ以上巻けなくなる状態(巻きどまり)になると、リューズを進めることが出来なくなります。そして、巻き上げられたゼンマイは輪列機構・脱進機といった機構を通り、少しづつ解かれることで、止まることなく動き続けることができます。
パワーリザーブが落ちてきたのはなぜ?
ゼンマイを巻き上げたがパワーリザーブが短かった場合は、歯車などの油が切れて、部品同士が磨耗し、巻き上げ効率が悪くなっている可能性が高いです。そういった場合は、オーバーホールといった作業が必要になり、注油してパーツの動きをスムーズにしなければなりません。また、長い間時計を使っていないと油が固くなり、駆動時間が短くなることもあります。この場合も新しい油の交換が必要です。(写真_PANERAIOP6728のゼンマイ交換)