BROOCHブローチ時計・宝石修理工房 > ブログ > 蒲田店 > 伝説の内部機構を手掛けたレマニア社(ヌーベルレマニア<Nouvelle Lemania>)
スタッフブログ

こんにちは!蒲田店スタッフのTです!
先日ブライトリングの「カリスト」(現行モデルの無いシリーズ)というモデルのオーバーホールを承りました。
カリストはクロノグラフ搭載の手巻き腕時計で内部機構がとても有名なレマニア社製のムーブメントが基になっています。
ブライトリングのカリストは手巻きでクロノグラフ搭載のモデル、この機会がとても伝説的な機構になっている
このレマニア社はOMEGAともかかわりが深く伝説的に有名なムーブメントを製造したメーカーでもあるのですが、改めて調べて記事にしたので是非ご覧ください!

伝説の腕時計の内部機構の製造メーカー「レマニア」
風防のコキズが目立ちますがOH

ムーンウォッチとして名高い「OMEGA(オメガ)スピードマスター」、
もともとは強固な防水を誇る「Seamaster(シーマスター)」というモデルを
モータースポーツ用にクロノグラフモデルとして進化した腕時計でした。
今でもシーマスターの名残である裏蓋の「Sea Hourse(シーホース)」の刻印に見ることができます。

レマニア社は当時の時計界隈の中でもトップクラスに優秀なムーブメント製造技術を誇り、
初期のスピードマスターはそんなレマニア社が手掛けた傑作ムーブメント「Cal.321」を搭載していることでも知られています。

天才の手によって完成したムーブメントCal.321
ムーンウォッチと呼ばれるオメガスピードマスター4thの機構。重力の無い宇宙空間でも動力を確保できる手巻き式になっている

オメガとレマニア社の手によって「Cal.321」が誕生したのは1942年、
30分と12時間の積算計搭載で腕時計に相応しいサイズのムーブメントの製造に取り掛かります。
完成品は直径27㎜・厚さ6.7㎜という美しいメカニズムを目で見て実感でき非常に小型なムーブメントで
秒間5回針の動く18000振動の「ロービート」と呼ばれる内部機械の耐久性を優先した機構になっています。

クロノグラフ搭載の腕時計のパーツ数は今でも200~300以上は必要になりその複雑な機構を完成させるには簡単には行きませんでした。
この偉業とも呼べる難題を達成したのはレマニア社にいた一人の天才時計師「アルバート・ピゲ」でした。
アルバートピゲは18000振動の懐中時計クロノグラフを36000振動へと造り直し、その時計は1932年ロサンゼルスオリンピックで使用され5分の1秒の計測を10分の1秒にまで精度を向上させてタイム計測に貢献しています。
更に後にはCal.321を元にして出来たパテックフィリップのパーペチュアルカレンダー搭載「Cal.CH27-70」を造り上げた功績もあります。

天才時計師の名の元で続くレマニアの道
ブライトリング「カリスト」の内部、その機構はOMEGAスピードマスター通称「ムーンウォッチ」の内部ととてもよく似ている

1884年にアルフレッド・ルグリンの立ち上げたルグリンS.A. が始まりで、クロノグラフやリピーターといった複雑機構を得意としていました。
1910年代にオメガのムーブメント供給をはじめ「レマニア」に社名変更をしたのは1932年のこと、同時期に現スウォッチグループであるSSIHの傘下に入ります。

ムーブメントを供給していたのはオメガだけではなく「EBEL(エベル)」「SINN(ジン)」「BREITLING(ブライトリング)」と各名門ブランドへも協力してたのです。
1981年にブレゲに買収され社名を「ヌーベル・レマニア」に変更、さらにブレゲがスウォッチグループに買収された数年後ブレゲのムーブメント製造部門として合併されることになりました。

レマニアとは今も天才時計師の名を冠するブランドで時計業界最前線に立ち時計を製造し続ける、職人魂を抱えたメーカーと言えるかもしれません。

改めてレマリア社に関して調べて記事にしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ブローチ時計修理工房蒲田店ではムーンウォッチのオーバーホール・修理・メンテナンスの実績も多数ある時計師があなたの時計を丁寧に仕上げます。
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