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クォーツ危機について

クォーツショックについて

1970年代後半から、80年代前半にかけて日本製のクォーツ式腕時計が世界の市場を席巻し、スイスの機械式時計は破滅的な打撃をうけました。この歴史解釈は「クォーツ危機(ショック)」と呼ばれ、日本だけでなく、スイスでも信じられているようです。69年末にセイコーが世界初のクォーツ式腕時計、クォーツアストロンを発売した後、70年代後半から、80年代前半にかけて日本のクォーツ式腕時計の生産数はうなぎ登りに増え続け、年産1.5億個を突破しました。一方、スイスの時計とエボーシュの輸出量は、74年の8440万個をピークに84年には3000万個強にまで激減しています。

クォーツ式腕時計の開発は日本もスイスもほぼ同時

スイスの各メーカーも、日本と同時期にクォーツ式腕時計の生産を開始しています。実用化への取り組みはむしろスイスの方が先で、48年にはパテックフィリップが開発に乗り出しています。当時の価値観では高精度=高級機というイメージがありました。セイコークォーツアストロン初号機の定価が、国産普通乗用車と同じ45万円だった事実が物語るように、クォーツ式は本来、精度も価格も機械式とは桁違いの最高級機として開発されてきたのです。62年にはパテックフィリップオメガロレックスなど機械式の名門約20社の出資でCEH(電子時計センター)が設立され、66年に最初のクォーツ式キャリバーBeat.1が完成しました。翌年のヌーシャテル天文台クロノメーターコンクールには、Beat.2がセイコーアストロンのプロトタイプと並んで出品されました。そして、クォーツアストロンの発売から遅れること僅か4か月、70年4月に開催されたバーゼルフェアでオメガを始め18社がETA製Beat.21キャリバーを積んだクォーツ式時計を販売しています。日本製のクォーツ式が市場を圧巻するのは、70年代後半に入ってからですから、この時点での4か月の遅れが、致命的だったとは思えません。つまり、その後の、スイス時計産業の衰退は、クォーツ式の技術開発で日本に後れを取ったからではなく、他に理由があったのです。

クォーツ危機をもたらしたのは日本ではない!?

クォーツ危機の真の原因は、産業集積の遅れと為替の変動にあったのではないかと言われています。企業としては、中小規模の組立・エボーシュ・部品各メーカーの寄り合い所帯だったスイス時計産業は、日本のセイコーやシチズン、リコー、カシオといった垂直統合型大企業のような量産体制を築けず、クォーツ式の低価格化が進められませんでした。そしてこの問題は、クォーツ式に始まったことではなく、既に機械式時代から良質の腕と刑の量産においてスイスは日本に後れを取りつつあったというのです。為替については、71年のドルショックを機に対米ドル相場が変動制に変わった後、スイスフランは日本円に比べて大幅に急騰しました。85年のプラザ合意までは、アメリカをはじめとする輸出市場において、スイスより日本の方が有利な状態が続きました。この通り、クォーツ危機の元凶は日本という外敵ではなく、スイス時計産業内部の構造的問題と自国通貨の強さだったのです。

 

BROOCH時計修理工房 神田店の外観
こんにちは!ブローチ時計修理工房神田店です。なんで高級腕時計の代名詞といえばスイス時計なんでしょうかね?気になりますよね?私も疑問に思ってたので調べてみました。いまスイスの産業として一番イメージしやすいのは「観光」ということになりますかね。首都はどこかわかりますか?ベルンという街でこの町は観光という点ではさほどでもないようです…(首都なのに?(笑))チューリヒ、ジュネーヴという二大国際都市は旅行先としても人気です。サンモリッツのスキー、古都ルツェルンなどは、のどかな国のイメージを代表する表象です。
いっぽうでは非常に現代的な産業の国でもあります。プライベート・バンクに代表される世界の富が集まる金融、製薬・化学薬品工業の中心でもあります。そしてその中でも歴史的な産業として知られるのが時計を中心とした精密機械工業です。それには歴史的であると同時に、地勢的な問題と政治的な問題も絡んでいます。1つには冬季には雪に閉ざされる地域が多いスイスでは、冬になるとフランスやイギリスなど海外向けに、時計の部品を造るという「内職」が盛んに行なわれていました。つまりは人的資源とノウハウが蓄積されていたわけです。次に隣国フランスでの新教徒弾圧のために、時計造りの技術者や多くの商工業者がスイス、特にジュネーヴに亡命し、腕時計メーカーに育つ資本家が誕生してきたことが挙げられます。海外の下請けではなくスイス国内で最終製品にまで仕上げられる基盤が育ったのです。
ジュネーヴにはもともと地場産業であるエナメル細工の伝統があり、これらが結びついて、華麗なエナメル細工を施した美的で高性能の「ジュネーヴ時計」を生み出しました。 ジュネーヴの機械式時計が注目されるようになると、時計の部品を造ってきたジュウ渓谷やトラヴェール渓谷、ビエンヌなどスイスの他の地域でも本格的な時計が造られるようになりました。ちなみジュネーブを代表する時計ブランドはパテックフィリップヴァシュロン・コンスタンタンなどがそうです。 
パテックフィリップの時計
こちらがパテックフィリップ

スイス腕時計は、世界一の品質を持つ最高級品

こうして近代に至るまで、スイスの時計造りはよく知られるようになりましたが、まだ世界一といえる状況には至っていませんでした。時計造りの先進国であるイギリス、フランス、そして新興の大国アメリカと並び立つ存在であったというのが、むしろ実態に合っているでしょう。 20世紀初頭では、スイスはアメリカと肩を並べる時計の生産国でしたが、生産量と、均質な品質を生み出す技術的には、いち早く工業化・大量生産化に成功したアメリカのほうが優れていたというのが事実としてあったようです。
その体制が変わったのは第二次世界大戦です。アメリカなど戦争当事国の産業は軍事用にシフトし、高級時計の生産は手薄になります。 1815年以来の永世中立国であるスイスの立場は、連合国・枢軸国を問わず、軍用時計の輸出を可能にしました。スイスの時計産業は特需に沸き返ったといってもいいでしょう。 また、空洞化しつつあった戦争当事国の国内市場にも、スイス時計は浸透していきました。
そして第二次世界大戦終結以降、スイス腕時計は、世界一の品質を持つ最高級品としての位置を確保したのです!

ティソ(TISSOT)PRC 100 の時計のポリッシュ前、ケース
TISSOT ティソ修理事例

BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。腕時計は使っているうちに、テーブルの角などにぶつけてしまい使用キズがついてしまいます。使用キズがついてしまうと全体的に曇って見えてしまいますよね。ステンレスよりも硬いと言われているチタン素材でも同様で、気付かないうちに小傷がついてしまいます。しかしご安心ください!ブローチ時計修理工房神田店ではチタン素材のポリッシュも可能です。

チタンとステンレスの違い
ティソ(TISSOT)PRC 100 の時計のポリッシュ前のブレス

腕時計は基本、ケースやブレスにステンレスを用います。腕時計におけるステンレス製とチタン製の違いは、「重さ」「錆び」「アレルギー」「硬さ」「見た目」「値段」です。ステンレスとチタンを比較するとチタンのほうが軽く、腕に身に着けていても疲れにくいです。また、チタン錆びにくく、金属アレルギーの原因となるイオンの発生が少ないので金属アレルギーになりにくいです。見た目はチタンはマットな感じで、ステンレスの方が光沢感があります。好みにもよりますが、磨いた時にステンレスの方がピカピカに仕上がります。値段はステンレスよりもチタンの方が高価です。硬さを高める加工が施されていたりすると、更に値段が高くなる傾向にあります。

ステンレス素材ポリッシュ(外装磨き)

beforeティソ(TISSOT)PRC 100 の時計のポリッシュ前、ケースafterティソ(TISSOT)PRC 100 の時計のポリッシュ後のケース

ブレスbefore

ティソ(TISSOT)PRC 100 の時計のポリッシュ前のブレス

ブレスafter

ティソ(TISSOT)PRC 100 の時計のポリッシュ後のブレスみてください!!小傷がなくなるだけで再び輝きを取り戻し、一段とかっこよくなりました!大切なパートナーである腕時計こそ、外装もしっかりメンテナンスもしたいですね。

腕時計修理はBROOCH時計修理工房へお任せください

ポリッシュ(外装磨き)は、オーバーホールとご一緒でも、ポリッシュだけでも承っております。見た目がきれいになると、この時計を買った時の幸福感が再び蘇り、気分が上がるかと思います。
ブローチ時計修理工房ではオーバーホール(分解掃除)ポリッシュ加工(外装磨き)だけではなく、電池交換、コマ調整、バネ交換、バンド交換など、ありとあらゆる修理・作業を承っております。神田で「ティソ」「ロレックス」「オメガ」「カルティエ」「セイコー」等、の修理はブローチ時計修理工房にお任せ下さい。他店にて断られた時計も修理を承っております。お気軽にご来店くださいませ。

ブローチ時計修理工房にて電池交換、パッキン交換を承っています。
みなさん、こんにちは!ブローチ時計修理工房神田店です。ウォッチとクロックに違いがあるってご存知でしたか?私は何となくの区別はわかりました。クロックとウオッチは別物で、時計は携帯用のウォッチの誕生で、機械の構造も産業形態も大きく変わりました。日本語ではさまざまな時計を総称する言葉として「時計」という呼称が存在するのですが例えば英語では、置いた状態で使う掛・置・目覚まし時計をクロック(clock)と呼び、携帯用の腕・懐中時計をウォッチ(watch)と呼ぶそうです。飲み会の時などに豆知識として使えそうですね!(笑)あとクロック(clock)の意味を調べたところ、人の顔、(靴下の足首のところにある)詩集、縫い取り飾り、とこんな意味もありました。

ウォッチ(watch)

オメガ修理事例

ウォルサム(WALTHAM)懐中時計のオーバーホール
ウォルサム修理事例

クロック(clock)
置時計の写真

欧米では流通も異なり、クロックは日本で言えば荒物屋・インテリア雑貨屋で、高級ウォッチは宝飾店、低価格ウォッチは日用雑貨店で販売しています。1600年頃から懐中時計が流行り始め、1900年頃から腕への装着が流行になって、精密さや装着の良さ、デザインが重視されるようになりました。近年では、クロックはインテリア性が、ウォッチではファッション性が問われています。ウォッチでは機械が小さくなると携帯性が高まって喜ばれ、活躍の場が広がりますが、精密さはさらに高いレベルを要求されます。ちなみに規格でも、クロックの製造規格はミリメートル単位ですが、ウォッチの製造図面はミクロン( 1000分の 1ミリメートル)単位で引かれます。それはそうですよね、手首に乗るくらいの大きさのケースの中に精密機械が搭載せれているんですもんね。
製造国では、クロックはドイツ、フランス、オランダなどで隆盛を極め、ウォッチは英国、米国、スイスなどで多数がつくられました。しかし昔は先端産業だったのですが、時計以外の産業が発展した近年は、スイスを除く欧州では産業としては衰退しています。日本は、国としても、メーカーとしても、両品目に加えて設備時計までを製造しているという点で、世界では稀な存在の「時計大国」なのです。知ってましたか?確かにSEIKO、グランドセイコーなどは世界のブランドに引けを取ってないですもんね。


時計に関するお困り事がございましたら、ブローチ時計修理工房神田店までお問い合わせください。時計の修理も承っております。その他、電池交換オーバーホール等、多くの修理を承っております。お探しの懐中時計、腕時計を探すことなども出来ます。お待ちしております。

ブローチ 時計修理工房 神田店 内装

BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。
皆様、ムーンフェイズをご存知でしょうか。恥ずかしながら私は知りませんでした。ところが最近、お客様の時計を通じて調べる機会があったので、皆様にも共有したいと思い、この記事を書きました。
それではムーンフェイズについてご紹介します!

ムーンフェイズとは

ムーンフェイズについて考える(ALFEX)【ブローチ(BROOCH)時計修理工房 神田店】

ムーンフェイズとは、月齢や月の満ち欠けを時計の文字盤で確認することができる機能のことです。月齢とは、新月から次の新月までを1日単位で数えて、その日数によって月の満ち欠けの度合を表わすものです。つまり、今は三日月だ!とか、満月だ!というのが分かるような表示・機能ということですね。

実生活で用いる例としては、潮の満ち引きの大小を確認することができます。大潮かどうかが分かると、それによって魚が釣れるかどうか、潮干狩りに向いてる日かどうか等が考察できます。またマリンスポーツをされる方には、潮の大小が大きな影響を与えることもあるため、対策を立てることができます。

とはいえ、今日では月齢を日常的に気にする方よりも、デザインとしてムーンフェイズを好きだという人が多い印象です。月や星座の表示があると、それだけでもかなり目を惹く時計になりますよね。

ムーンフェイズの歴史

ムーンフェイズについて考える(JUNCTION)【ブローチ(BROOCH)時計修理工房 神田店】

その歴史は古く、16世紀にヨーロッパで開発された置き時計には、すでに搭載されていたものがあったそうです。精度は如何なるものだったか疑問ですが、かなり興味がありますね。
精度と言えば、ムーンフェイズを用いて実際の月を忠実に再現しようと努力した人たちがいます。
新月から次の新月に移り変わるまでの時間、つまり月が地球を一周するのにかかる周期(朔望月)は、約29.53日です。厳密に言うとこれは平均値で、約29.27日から29.83日の幅があります。これを正確に文字盤で表示させるのは、あまりにも困難な話です。ところがこれを実現した人がいます。時計の歴史を200年早めたともいわれる天才時計師、アブラアム=ルイ・ブレゲです。
ブレゲは、朔望月を29.5日であると、おおよそで設計したのです。しかしこの「0.5日」をどのように設計するかがカギとなります。歯車で表現する際、1日分を1歯で収める、つまり29歯か30歯の歯車で設計すると「0.5日」が表現できないのです。そこでブレゲは、29.5の倍の59歯の歯車を用いようと考えました。1日分を1歯進む歯車が59歯あるため、2日で1周、1日で半周する造りにしたのです。天才ですね。おおよそであれば、29日や30日に丸めることもできたのに、できる限りの精度を探求した姿勢が伺えます。
また、歯車が1日で半周動くということは、ムーンフェイズのディスクには、月の絵が2つ描かれているということも分かりますね。この設計は多くの時計のモデルとなり、受け継がれています。
現代では、より高精度な設計のムーンフェイズも存在し、ブレゲがおおよそとした部分の誤差を、できる限りなくすような時計が世に放たれています。

時計修理はBROOCH時計修理工房へご相談ください

ブローチ時計修理工房 神田店 外装

いかがでしたでしょうか。ムーンフェイズについてご紹介しました。時計のフェイスを華やかに表現し、実用的な部分もある素敵な機能でしたね。自分もいつかムーンフェイズの機能が搭載された時計を欲しいなと思います。

上記で掲載した2つの時計は、どちらもオーバーホールでお預かりさせていただいた時計です。当店ではムーンフェイズが付いた時計の修理も承っております。
その他時計に関するお困り事がございましたら、ブローチ時計修理工房神田店までお問い合わせください。
お待ちしております。

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