パワーリザーブとは?
機械式時計は”自動巻き”と”手巻き”に分けられますが、どちらも巻き上がった主ぜんまいが元の状態にほどける力を駆動力として針を運針しています。一度完全に主ぜんまいを巻き上げた状態から放置して時計が止まるまでの駆動時間を、パワーリザーブと呼びます。したがってこのパワーリザーブが長ければ長いほど、ぜんまいを巻く操作をせずとも時計が止まる心配は少なくなります。
パワーリザーブの仕組み
手巻き式時計は、リューズを巻きあげることで主ゼンマイは中心にどんどん巻き付けられ、最終的にそれ以上巻けなくなる状態(巻きどまり)になると、リューズを進めることが出来なくなります。そして、巻き上げられたゼンマイは輪列機構・脱進機といった機構を通り、少しづつ解かれることで、止まることなく動き続けることができます。
パワーリザーブが落ちてきたのはなぜ?
ゼンマイを巻き上げたがパワーリザーブが短かった場合は、歯車などの油が切れて、部品同士が磨耗し、巻き上げ効率が悪くなっている可能性が高いです。そういった場合は、オーバーホールといった作業が必要になり、注油してパーツの動きをスムーズにしなければなりません。また、長い間時計を使っていないと油が固くなり、駆動時間が短くなることもあります。この場合も新しい油の交換が必要です。(写真_PANERAIOP6728のゼンマイ交換)
【東京阿佐ヶ谷・ブローチ時計修理工房】腕時計の電池交換はどれくらい持つの?
今回ご紹介する話題は「腕時計の電池って何年もつの?」についてです。
こんにちは!ブローチ宝石・時計修理工房阿佐ヶ谷店です。よくお店で「腕時計の電池ってどれくらいもつの?」と聞かれます。なので今回はそれについて回答していきたいと思います。腕時計の電池は時計の種類によって持ちが変わってくるので以下でそれぞれ種類別に電池寿命を紹介します!
シンプルな2針タイプ
こちらは2針タイプの腕時計です。秒針がなく少ない動力で時計を動かしますので、2年〜5年持ちます。分針が1分ずつ刻むものと少しづつ動くものに別れます。
常に秒針を動かし続ける3針タイプ
こちらは常に秒針を動かし続けながら時間を刻むため、2針タイプよりも寿命は短くなります。2年〜3年程度となります。近年では、消費する電力が少ないムーヴメントが作られている為 電池が長く持つようになってきました。3針タイプでリチウム電池を使用している時計の中には5~10年程電池が持つものもあります。
クロノグラフタイプ
こちらはストップウォッチ機能のついたクロノグラフタイプです。結構複雑な構造に見えるため電池の消費が早いように感じますが、実はそうでもないんです。ストップウォッチ機能を頻繁に使う人は別ですが、おそらくデザインとして楽しまれるかたが大半のはず。なので通常の3針タイプとさほど差はないと思います。ただ間違ってストップウィッチの秒針を通常の秒針と勘違いしてずっと動かし続けると早く消費してしまいます。
デジタルタイプ(リチウム電池タイプ)
3年〜5年もつのがデジタル時計です。デジタル時計はリチウム電池が使用されています。リチウム電池は高い電圧と大きい電流で長持ちすることができるので寿命も長いです。
以上、簡単に時計の種類による電池寿命についてご説明いたしました!
各電池メーカーにいえることですが、新しい電池の電圧は同じです。基本的にはムーブメントごとに定められている大きさの電池であれば、電池の持ちに大差はないはずです。ただし、ムーブメントの状態によって電圧の消費量が違ってきます。機械の油が劣化していたり、汚れがついていたると電池の持ちは悪くなります。1年より早く電池がなくなるようでしたら分解掃除(オーバーホール)をすることによって電池の持ちもよくなります。
腕時計のメンテナンスはブローチ宝石・時計修理工房阿佐ヶ谷店へ
ブローチ時計修理工房ではオーバーホール(分解掃除)、ポリッシュ加工(外装磨き)だけではなく、電池交換・コマ調整・バネ交換・バンド交換などの作業などありとあらゆる修理・作業を承っております。大切な人から頂いた時計、思い入れのある時計、お使いの時計に不具合等ありましたら、是非一度ブローチ時計修理工房へお越しください。無料で相談も承っております。
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton) ポリッシュ修理事例
BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。先日、お持ちのブレスレットを綺麗にしたいと外装磨き(ポリッシュ)をお待ちいただきました。腕時計は使っているうちに、テーブルの角などにぶつけてしまい使用キズがついてしまいます。使用キズがついてしまうと全体的に曇って見えてしまいます。それを外装磨き(ポリッシュ)を行うと新品同様の輝きが蘇ります。上記の画像を見ていただくと、違いが一目瞭然です。もちろん「この傷は思い出があるからここだけは残してほしい!」ご要望も承ることもできますのでご安心ください。本日はそんな「ポリッシュ(外装磨き)」のお話です。
ポリッシュ(外装磨き)とは?

ポリッシュ(外装磨き)とは、ケースやブレスの表面を磨き加工することです。深いキズは目立たなくなり、スジもきれいになります。ピカピカになった腕時計をすると背筋が伸びて仕事のやる気も上がりますね!
作業は上記バフを使用します。写真上のフェルトバフにはそれぞれ硬さがあり、硬いフェルトバフの使用目的はキズ取りで、一段階目で全体の傷を磨きます。柔らかいフェルトバフの使用目的は、鏡面+表面の凸凹修正。この段階でポリッシュ加工の出来栄えがほぼ決まってきます。布バフは総仕上げです。この布バフで鏡のように仕上げます。スポンジバフは、サテン仕上げに使用します。この作業の注意点としては、スジ目がバラバラだったり、縦スジが斜めになっていないか、スジ付けが甘く光っていないかなど。サテン加工の出来栄えにより鏡面仕上げがより効果的になるのでとても重要な作業と言えます。あまりに磨き過ぎてしまうとケース痩せという状態を引き起こしますので、職人の腕の見せ所です!
ポリッシュ(外装磨き)の料金
料金は以下となります。
【料金】
・ブレスレット+ケース 11,000円~
・ケース磨き 6,600円~
・ブレスレット磨き 6,600円~
納期:約3週間
当店ではポリッシュ(外装磨き)とオーバーホールを一緒にご注文いただくことが多いです。オーバーホールと一緒にご注文いただいた場合でも、納期はオーバーホール納期と一緒です。オーバーホールは腕時計の中の状態のためなかなかメンテナンスを行った実感はないかもしれませんが、ポリッシュは目に見えるのでメンテナンスを行った実感をより感じられるかと思います。もちろん、ポリッシュ(外装磨き)のみで受付も可能ですので、お気軽にご相談ください。
皆様は腕時計の行きつけのメンテナンスショップはございますでしょうか。神田のお近くで【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、腕時計のメンテナンスのショップをお探しならぜひ当店におかませください。腕時計はご自身、家族、大切な人と過ごしてきた人生の目撃者です。皆様の大切な時計を熟練の時計技師が修理いたします。
BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。先日、水仕事をされているお客様から腕時計が止まってしまったとオーバーホールにお待ちいただきました。腕時計にとって水は大敵です。少し意識するだけでも腕時計への負担が変わってくるかと思いますので、本日は防水性能を保っている「パッキン」についてお話していきます。
パッキンとは?

時計のケースと裏蓋の間などにはめ込み防水性を高めるものです。ゴムに圧力をかけて汗や雨などの水分を時計内部に入れないような仕組になっています。水筒のキャップをイメージするとわかりやすいでしょうか。家庭用の輪ゴムでも、劣化してカチカチにヒビ割れてるものを見たことがありませんか。時計に使われているパッキンも古くなると同じく劣化がおきます。パッキンは「お湯」に入れてしまうことでも劣化してしまいます。温度変化や蒸気に弱いのでサウナも同様。故障の原因が生じてしまう恐れがありますので、入浴時は必ず時計を外すよう心がけてください。もしも、腕時計内部(風防)の内側に水滴が溜まってしまい、またそのままにしておくと文字盤の腐食や剥離をおこします。パッキン交換修理事例
日常生活の水場で気をつける事

日常生活の水場で気をつける事は
・手が濡れた状態でリューズやボタンを操作しないこと
・お湯を使用する際は腕時計を外すこと
熱や温泉成分でパッキンや外装が劣化してしまう可能性があります。腕時計には水分やホコリ等から時計を守る為に、パッキンというゴム製のパーツが使われています。このパッキンが経年劣化により破損していると時計内部に水が浸入してしまうのです。パッキンは消耗部品です。パッキンが固くなり劣化し始めるのは、およそ3年程度言われていいます。定期的に交換し湿気や雨、汗からのトラブルを未然に防ぐ事をおすすめします。電池交換の周期が同じくらいですので、一緒に行うと安心ですね。
皆様は腕時計の行きつけのメンテナンスショップはございますでしょうか。神田のお近くで腕時計のメンテナンスのショップをお探しならぜひ当店におかませください。腕時計はご自身、家族、大切な人と過ごしてきた人生の目撃者です。皆様の大切な時計を熟練の時計技師が修理いたします。【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、お気軽にご来店ください。
【東京阿佐ヶ谷・ブローチ時計宝石修理工房】時計の時刻がずれる・遅れる
こんにちは、ブローチ時計宝石修理工房阿佐ヶ谷店のスタッフTです。
本日は時計の時刻がずれる・遅れるといった原因について紹介したいと思います。
正確に腕時計の時刻を合わせていたのに、いつのまにか時刻がずれてしまった経験はないでしょうか。時計は時刻を正確に知るものなのに、正しい時間が分からないとスケジュールの予定が狂う、電車に乗り遅れてしまうなど時間のずれが与える影響は少なくありません。
では、どうして時計の時刻はずれてしまうのでしょうか?
現象の多くは時計の故障の結果として現れるものですが、実は時計に故障がない場合でも時刻が遅れるといった症状が発生することがあります。時計の遅れや進み具合を「精度」といい、一般に機械式時計であれば、日差、クオーツ時計であれば月差、年差で表します。電波時計など定期的に時刻を補正する機能がない限り、正確に動き続ける時計はないため、時計の性能に応じて精度の幅が設けられています。所持している時計の精度がメーカーの許容範囲である場合には故障とは判断されません。
たとえばメーカーが月誤差を±60秒と定めていた場合、時刻が1分ずれていても誤差の範囲内と判断できるでしょう。しかし、1か月で10分、20分と遅れが出てしまった場合、時刻を調整してもすぐずれてしまう場合は、時計の故障が疑われます。
時刻がずれてしまう原因
どの程度ずれているかにもよりますが、様々な原因が考えられます。たとえば、磁気、電池の消耗、油切れ、部品の破損・消耗、歯車の不調など時計によって原因は異なります。
またクオーツ時計と機械式時計でも違いがあります。そのため、時計の種類を把握し、適切な原因を見つけ出すことが必要になります。
電池の消耗
クオーツ時計の場合、電池の消耗が一つの原因として考えられます。
電池は常に消耗していますが、電池の残量が少なくなりますと時計を動かすのに十分な電力を与えることができません。その結果、徐々に時刻がずれてしまうのです。電池の消耗が原因の場合、電池交換に出しますと正しい時間を刻めるようになるでしょう。
部品の消耗
時計の針を進める部品が消耗、あるいは破損している可能性もあります。時計の部品の中には常に磨耗し、経年劣化によって交換が必要なものも含まれます。部品が寿命を迎え、時間がずれる原因になっている可能性もあるのです。特に何年間も使用している時計は、部品の消耗が原因として考えられるでしょう。該当部品を交換すれば解決されますが、通常はどの部品が原因か分からないため、一度オーバーホールする必要があります
部品の油切れ
長年使っていない時計、オーバーホールせず、ずっと使っている時計である場合、部品の油切れが原因になっている可能性もあります。車やバイクと同じように、時計には磨耗を防ぐために油を差している部品もあります。油が切れると部品がスムーズに動かなくなり、時刻機能に影響が生じてしまいます。ただし、部品が磨耗している可能性もあるため、油を差しても解決しない場合もあります。
磁気及び
パソコンのような端末やテレビ、電子レンジなど、家電製品の中には強い磁気を発するものがあります。これらが発する磁気が部品に影響を与え、時間をずらす原因になっている場合もあるのです。俗に「磁気帯び」と呼ばれていますが、磁気を発する機器の近くで時計を使用している場合、磁気帯びが主な原因として考えられます。時計が磁気を帯びた場合は、磁気抜き作業をしなければいけません。また、磁気を抜くための器具が必要になります。
時計の時間がずれることは珍しくありません。しかし、それを発見するには実際の時刻とのずれを確認し、しばらく様子を見る必要があります。少したっても改善されない、1日で時刻がずれるなどの症状が出た場合、メーカーまたは修理店に相談してみましょう。
東京・阿佐ヶ谷のお近くで腕時計のメンテナンスのショップをお探しならぜひ当店におかませください。【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、お気軽にご来店ください。無料で相談も承っております。