日本のブランド
今日は私たちの国のブランドについてお話したいと思います。日本の機械式時計産業は群雄割拠のスイスとは打って変わって、セイコーとシチズンという二大企業が他を圧倒している状況です。オリエントは現在ではセイコーエプソンの1ブランドとなっています。日本製を選ぶ最大のメリットは、やはり行き届いたアフターケア体制の充実ではないでしょうか。セイコーもシチズンも大企業だけに全国の主要都市に直営店や正規販売店(百貨店や専門店を含む)があり、アフターケアを受け付けています。特に高級モデルであればあるほどメンテナンスが欠かせない機械式腕時計にとって、この安心感があるのはとてもありがたいところですよね!
セイコー(SEIKO 1881)
今やあらゆる精密機器の素材や部品から電子デバイスまでを手がける超巨大企業に成長したセイコー・グループは、時計メーカーとしても世界最大規模です。国内外に複数の製造拠点を持ち、製品のラインナップも複雑です。
まずはすごく簡略化した歴史から見てみます。1881(明治14)年に服部金太郎が東京・京橋に服部時計店(現・和光)を創業し、92年に製造部門として錦糸町に精工舎(現・セイコークロック)を設立。 1913(大正2)年に国産初の腕時計”ローレル”を発売し、37(昭和12)年には腕時計部門が第二精工舎(現・セイコーウオッチ)として独立し亀戸に工場を構えます。一方、服部時計店出身の山崎久夫が同42年に長野県・諏訪で創業し、第二精工舎の腕時計などの組立製造を請け負っていた大和工業が、 59年に諏訪精工舎(現・セイコーエプソン)と改名。SEIKOの腕時計は「亀戸製」と「諏訪製」が競い合うことで、機械式黄金時代の60年代に世界の頂点へと躍り出ました。機械式の国内生産は80年代初頭に一旦終了しましたが、92年に再開します。海外工場で作られていた低価格帯の機械式も、「セイコー5スポーツ」という新たなブランド名を冠して国内で生産されるようになりました。同じように、かつてモデル名だった「グランドセイコー」やシリーズ名だった「クレドール」なども現在はブランド名として独立し、「キングセイコー」も今年復活しましたね!販売はセイコーウオッチが行っています。
グランドセイコー修理事例
各ブランドの高級モデルは、機械式はセイコーウオッチ傘下の盛岡セイコー工業・雫石高級時計工房、スプリングドライブはセイコーエプソン塩尻事業所(長野県)のマイクロアーティスト工房が主に製造。「亀戸・諏訪」の切磋琢磨は、「雫石・塩尻」に場所を変えて続いています。こうゆうグループ内での関係が場所やブランドを変えながら続いていくってすごく珍しい気がしますが、それだけ両社が必要としあっているというか、良い関係なんでしょうね。
「グランドセイコー」はもちろん、腕時計のメンテナンスショップをお探しならぜひブローチ時計修理工房におかませください。【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、腕時計修理全般を承っております。他店で断られた腕時計もお気軽にご相談ください。
スイスの時計業界用語②【東京神田・ブローチ(BROOCH)時計修理工房】
こんにちは。ブローチ時計修理工房神田店です!今日はスイスの時計業界用語①の続きで業態に関する用語について書いていきます。
業態に関する用語
◉「マニュファクチュール」(manufacture)
原意は世界史で習った「工場制手工業」。時計業界では手工業に限らず「ムーヴメントを自社で開発製造できるブランド」、つまり「他社製エボーシュに依存しないブランド」をこう呼びます。パテックフィリップなどが最たる例ですね。
◉「エタブリスール」(établisseur)
辞書的意味は「創立者」。時計業界では部品を集めてエボーシュやムーブメントを組み立てる「組立専門業者」を指す言葉でしたが、最近では「他社製エボーシュを用いるブランド」という意味で、主にマニュファクチュールとの対比で使われます。ちなみに部品の組立を意味する「エタブリサージュ」( établissage)は時計業界が生んだ用語。
ETAムーブメント
時計マニアの中には、自社製ムーブメントを含めて、螺子の1本から自社でつくる「マニュファクチュール」信奉者が多く、彼らには評判が悪い。エタのムーブメントをポンと入れれば出来上がりと皮肉って「エタポン」なる言葉まであるようです(汗)。しかし、時計専門雑誌では、自社製ムーブメントでは開発コストや自社分のみの生産なので製造コストが嵩んで時計自体が高価格になる上に、定評ある ETA社製ムーブメントは信頼性が高いことや保守費用も経済的なので、評価する声も多いそう。
◉「テルミヌール」(termineur)
直訳すれば「末端業者」で、さまざまな業者の要望に応えて「部品を集める業者」のこと。集める作業は「テルミナージュ」(terminage)。どちらも水平分業が進んだスイス時計業界ならではの用語といえるでしょう。
◉「キャビノティエ」(cabinotier)
かつて「ジュネーヴの時計師」は自らをこう呼びました。彼らの多くが屋根裏部屋(cabinet)を工房にしていたことに由来。カルヴァンの宗教改革により 1536年に共和国として独立したジュネーヴの職人の、意識と教養とプライドの高さを象徴する言葉です。これも仏和辞典には見当たりませんが、腕時計のモデル名などではたまに目にします。日本の住宅事情だと屋根裏部屋とかはあまりなさそうですけど、確かに外国は映画とかアニメとかでもちょいちょいそうゆう場面が出てくるので多いんですかね。。意外なところにも想像力が掻き立てられますね!
機械式時計やクォーツ式時計、そのほかの時計でもお困りのことがあれば、お気軽にブローチ時計修理工房までお問い合わせください!時計の電池交換・コマ調整・バネ交換・バンド交換などの作業や、オーバーホール(分解掃除)、ポリッシュ加工(外装磨き)、湿気や水滴が入ってしまった時計の乾燥などありとあらゆる修理を承っております。大切な人から頂いた時計、思い入れのある時計、是非一度ご相談だけでも構いませんのでお持ちください。
BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。
皆様、腕時計の金属ブレスのコマ調整をしたことはございますでしょうか?
久しぶりに着けてみたら緩かった、きつかったので、時計屋さんでコマの調整をしたことがあるよ!という方もいらっしゃると思います。
そんなコマ調整ですが、実はいくつか種類がございます。コマの連結にはいくつか種類がある、と言った方が正確かもしれません。
そこで今回は、腕時計のメタルバンドの調整方法(コマ連結の種類)を5つご紹介します!
ネジ式
こちらははカルティエ パシャのコマ調整をした時の写真です。
ネジ式と呼ばれるもので、その名の通り、片側がねじになっている棒があり、それがコマとコマの連結を果たしているタイプのものになります。
両ネジと呼ばれ、両側がネジになっているものもありますね。
以下に詳細な修理事例が掲載されています。是非御覧ください。
ピンパイプ式
こちらはハミルトン ジャズマスターのコマ調整をした時の写真です。
ピンパイプ式と呼ばれるもので、その名の通り、ピンとパイプが組み合わさってコマとコマの連結を果たしているタイプのものです。
取り付け取り外しには、ハンマーを用います。技術師目線でお話しすると、少なからず時計・バンドに衝撃を与えてしまうのが怖いところ。作業は細心の注意を払います。
割れピン式
こちらはSWISS MILITARY HANOWA のコマ調整をした時の写真です。
割れピン式と呼ばれるもので、その名の通り、先が割れたピンによってコマとコマの連結を果たしているタイプです。
こちらもピンパイプ式と同様、取り付け取り外しにはハンマーを用います。
修理事例:SWISS MILITARY HANOWA の腕時計のコマ調整と電池交換
板バネ式
こちらはALBA のコマ調整をした時の写真です。
板バネ式と呼ばれるもので、金属の板バネが嚙み合ってコマとコマの連結を果たしているタイプのものです。
取り付け取り外しには、ドライバー等の先が細い工具を用います。滑ると傷をつけてしまうので慎重に作業するのがポイントです。
バネ棒式
こちらはCASIO G-SHOCK のコマ調整をした時の写真です。
バネ棒式と呼ばれるものですが、その名の通り、バネの機能を持った棒がコマとコマの連結を果たしているタイプのものです。
個人的な感覚ですが、珍しいタイプだと思います。私はこのとき初めて見ました。
修理事例:G-SHOCK(ジーショック)GST-W110D-7AJF のコマ調整
時計修理はBROOCH時計修理工房へご相談ください
いかがでしたでしょうか。今回は、腕時計のメタルバンドの調整方法(コマ連結の種類)を5つご紹介しました。
時計屋さんでもない限り、普段気にされる方は少ないと思うのですが、これを機に、お持ちの時計は何式なのかを見てみると面白いと思います。
当店ではお客様の腕時計のメタルバンドのコマ調整を承っております。お店には技術士が在中しておりますので、基本即日で対応させていただいております。ご相談だけでも承っております。
その他時計に関するお困り事がございましたら、ブローチ時計修理工房神田店までお問い合わせください。
お待ちしております。
ブローチ時計修理工房阿佐ヶ谷店です。当店では、店内に工房があるため時計修理作業をご覧いただきながらお待ち頂く事が可能です。自分の腕時計の中をみてみると、ルビーやサファイアの石がみられることがあります。「腕時計の中にルビー!?」と驚かれる方もいらっしゃるのですが、実は「石」は腕時計の重要なパーツのひとつなのです。
時計に石が必要な理由とは?
時計機械の歯車やテンプの軸が入る部分には、摩耗を防ぐためにルビー(人口ルビー)が使われています。腕時計好きの方にはご存じの方も多いですよね!軸は回転しているため、その軸と接する部分には多かれ少なかれ衝撃と摩擦が生まれます。そのため、耐摩擦性に優れた硬質なルビーが使われているわけです。ここを油の皮膜で保護をして、油を長く保ちながら常に正確に歯車等の部品を動かしています。軸以外にアンクルの爪など磨耗しやすい部分にも石を使用するケースが多いです。
一般的に複雑な高級時計のほど多くの石が使われています。なぜなら、複雑になればなるほど歯車の数が多いので、その分石も多く使われていることが多いからです。
通常、「17石」あれば機械的に問題ないと言われています。複雑時計ならばさらに石数が増えます。高級時計を選ぶ際は、石数にも注目してみると、各メーカーのこだわりも楽しめますね!
腕時計修理はブローチ時計修理工房にお任せください
阿佐ヶ谷・荻窪・中野・新宿のお近くで「ロレックス」「カルティエ」「オメガ」「タグホイヤー」「グランドセイコー」等の腕時計のメンテナンスショップをお探しならぜひ当店におかませください。【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、腕時計修理全般を承っております。他店で断られた腕時計もお気軽にご相談ください。
懐中時計とはどんな時計?その歴史と魅力
こんにちは!
ブローチ時計修理工房 阿佐ヶ谷店です!
今回は懐中時計について、その歴史と魅力をわかりやすくご紹介させていただきます。
懐中時計とは
懐中時計とは、ポケットやポーチなどに入れて使用する時計の事で、英語では「ポケットウォッチ」と呼ばれます。
写真の時計はILLINOIS(イリノイ)の懐中時計で、1920年に製造されたものです。
1870年に設立されたILLINOIS(イリノイ)は、アメリカ製の懐中時計を代表するメーカーです。
ILLINOIS(イリノイ)は1928年にHAMILTON(ハミルトン)に買収されたため、こちらの時計はそれ以前の製品です。
会社として存在したのは短期間ですが、懐中時計の初期・全盛期から腕時計の初期までを通して製造を行っていました。
その短い期間に生み出された、芸術性が高く技術に信頼のある懐中時計は、今現在でも一定の人々から人気を集めています。
懐中時計の歴史
懐中時計の歴史はかなり古く、1600年代には懐中時計の製造が行われていたといわれています。
当時、懐中時計の製造が可能な時計師はわずかに限られていたため、懐中時計は一部の王侯貴族しか手にすることのできない高級品でした。
現在では時計の生産地というとスイスをはじめとするヨーロッパを連想しますが、1800年代の終わりから1900年代初頭にかけては、アメリカ製の方が品質・精度ともに上回っていました。
魅力と使用上のポイント
懐中時計は、腕時計と比べると利便性に劣ります。
それでも懐中時計が今なお魅力を放ち、一定の人々から支持を得ていることは確かです。
そこには、現代の利便性や機能性を備えた腕時計にはない、懐中時計ならではの魅力があるからだと言えます。
また、その視認性や耐磁性の高さから、現在でも鉄道時計やナースウォッチとしても活躍しています。
懐中時計の選び方のポイントは、実用品と観賞用のどちらを目的とするかで変わります。
実用品として使用される場合は、機械式またはクオーツ式のどちらを選んでも問題ありません。
持ち歩かれるのであれば、ケースに蓋がついているかどうかがポイントです。
懐中時計には、ケースに蓋が無いオープンフェイスと、蓋が付いたハンターケース、ハンターケースの蓋に丸い穴を開け、ガラスをはめ込んだタイプのハーフハンターケース、そして文字盤やケースにガラスを使用し、中のムーブメントが見えるようになったスケルトンの、4つのタイプがあります。
懐中時計を飾って楽しみたい場合は、機械を見て楽しめる機械式時計のスケルトンタイプがおすすめです。
実用品としての楽しみ方だけでなく、机の上や書斎などに置いてインテリアとしてもお使いいただけます。
味わいと趣ある雰囲気をもつ懐中時計があるだけで、一味違った空間を演出してくれますよ♪
いかがでしたしょうか。
懐中時計とその歴史や魅力について、簡単にご紹介させていただきました。
ブローチ時計修理工房では、時計に関する様々な修理やメンテナンスを承っております。
お客さまの思い出の詰まった大切な時計を、心を込めて修理・メンテナンスさせていただきます。
時計に関して何かお悩みやご相談がありましたら、ぜひ一度お問い合わせください♪
お待ちしております!