早すぎた発明「耐磁ケース」
部品のほとんどが金属製の機械式時計は、磁力が大敵です!特にヒゲゼンマイをはじめ脱進機の部品が磁気を帯びてしまうと精度が下がり、場合によっては動かなくなってしまいます。昔の人が「腕時計はテレビの上に置いてはいけないよ」と言っていたらしいですが、それはスピーカーの磁石や電磁波が時計を帯磁させるからです。当時はほとんどの時計屋さんに、磁気を抜く「消磁器」が置いてありました。この問題を解決すべく生まれたのが、軟鉄などの防磁素材で作られたインナーを持つ「耐磁ケース」です!! IWCが1955年発売の”インヂュニア”で採用。フランス語で技術者を意味する名の通り、モーターなどが発する強い磁界に囲まれた環境を想定し、当時としては画期的な8万A/mの磁場(磁束密度でいえば1005ガウス)に耐える仕様。翌56年には、ロレックスが同様の耐磁ケースに入ったその名も”ミルガウス”を発表しました。ところが、当時の一般的な日常生活ではそこまでの耐磁性能は求められなかったせいか、金属製のインナーがある分だけ重く大きく、外から見ても効果がわからない耐磁ケースは爆発的な人気とはならず、クオーツ式の台頭もあってミルガウスは87年に一旦、生産中止になってしまいます。インヂュニアも耐磁ケースを使わないモデルが作られるようになっていきます。現代でしたらスマホやPC,電化製品など普及しているのでもはや必ず必要なスペックと言っても良いですが、先取しすぎちゃったんですね。このようなケースってどこの世界、業界にもありますもんね。そして90年代に機械式の人気が復活し、IT化が進んで電磁波が飛び交う時代になると、腕時計の耐磁性能が再び見直され、2007年にはミルガウスが生産再開します。しかしこの頃になると今度は帯磁しにくい新素材が登場し、必ずしも耐磁ケースに頼る必要はなくなりました。オメガは 2013年に発表した“シーマスター アクアテラ”で耐磁ケースを使わず1万5000ガウスの耐磁性能を実現。今では同社の多くのモデルが同様の性能を誇っています。ちなみに1000ガウス=8万A/mです。
ノートPCのスピーカーが最大8000A/m
iPhoneのスピーカーが最大1万A/m
家具のドア・マグネットが6万4000A/m
磁気健康枕が最大4万8000A/m
電気カミソリが最大1万400A/m
磁気ネックレスが最大9万6000A/m
ネックレスがやはり高いですが、1,000ガウスあればとりあえずは安心できそうですね。1万5000ガウスもあればほとんど怖いもの知らずといった感じですね!(笑)
磁気帯び修理事例
それでももし磁気を帯びてしまったら、この消磁器を使って磁気を取ることが出来ますのでご安心ください。
上記で紹介の磁気抜き以外にも腕時計のメンテナンス、修理はぜひブローチ時計修理神田店におかませください。【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、腕時計修理全般を承っております。他店で断られた腕時計もお気軽にご相談ください。
BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。
皆様、欲しい腕時計はありますでしょうか。私は専らグランドセイコー(Grand Seiko)が欲しいなと思っております。
グランドセイコーは、日本が世界に誇る高級腕時計ブランドですからね、一度は手にしてみたいものです。
今回はそんなグランドセイコーの魅力を、デザインと機械に分けて、ご紹介いたします。それでは見ていきましょう!
グランドセイコーとは
グランドセイコーとは、日本の腕時計メーカーのセイコーウオッチが所有する高級腕時計ブランドのひとつです。
部品生産から組み立てまで一貫して日本国内で製造されています。機械式、クオーツ式だけでなく、独自のスプリングドライブとそれぞれの機構を心臓部に与えながら、高い完成度の時計を世に放ってきました。
2017年にセイコーから独立化を果たしたグランドセイコーは、国内最高峰に留まらず、世界から注目を浴びるブランドとなります。
近年では、2021年、キャリバー9SA5を搭載するグランドセイコーのレギュラーモデル「SLGH005」“白樺モデル”が、2021年度ジュネーブ時計グランプリ(Grand Prix d‘Horlogerie de Genève 以下GPHG)において「メンズウォッチ」部門賞(Men’s Watch Prize)を受賞するという快挙を遂げました。また「SLGH005」は、日本においてもグッドデザイン賞を受賞しており、今作およびグランドセイコーが国内外でさらに注目度が高まっていることが伺えます。
デザイン性
グランドセイコーは、デザインへのこだわりも強いです。私が大好きなデザインは、針です。
ドルフィン針と呼ばれる針は、根元から先にかけてだんだん細くなり、先端は尖った形をしています。バーインデックスとドルフィン針というドレッシーなフェイスは、グランドセイコーの多くのモデルに用いられています。
視認性が優れているだけでなく、エレガントで上品、そしてクラシカルな印象を持ちませんか?
ムーブメント
最後のグランドセイコーの魅力は、時計の中のムーブメントです。
こちらはクオーツ式(電池式)時計のムーブメントで、9Fクオーツと呼ばれています。
9Fクオーツとは、セイコー社が開発した最高級クオーツ時計ムーブメントで、1988年に誕生しました。年差±10秒という非常に高精度を始め、9Fクオーツでしか実現できない機能がいくつも備わっています。グランドセイコーは「ただ薄くて軽いムーブメント」というクオーツの従来の概念を覆したのです。
今回紹介したクオーツ式だけでなく、機械式やスプリングドライブのムーブメントも同様です。9Sメカニカル、9Rスプリングドライブと呼ばれるムーブメントは、世界最高峰の性能を誇るムーブメントで、これらを搭載しているのがグランドセイコーです。
時計修理はBROOCH時計修理工房へご相談ください
いかがでしたでしょうか。今回は、グランドセイコーの魅力をご紹介しました。
グランドセイコーの歴史、デザイン、ムーブメント、知れば知るほど欲しくなってしまいますね。これだ!という1本をいつか手にしたいと思います。
当店では、グランドセイコーの修理を承っております。お店には技術師が在中しておりますので、ご相談だけでも承っております。
その他時計に関するお困り事がございましたら、ブローチ時計修理工房神田店までお問い合わせください。
お待ちしております。
こんにちは!ブローチ時計修理工房神田店です!今日はまたまた日本のブランド②CITIZEN(シチズン)の続きで二大企業ほどの規模はないのですが、手にしやすい価格で魅力的なモデルの多いオリエントについてお話したいと思います。
オリエント(ORIENT 1950)
オリエントは現在ではセイコーエプソンの1ブランドとなっています。1950(昭和25)年に多摩計器として創業します。東洋時計製作所(1920年設立)日野工場を借りて腕時計の生産を開始し、翌51年にオリエント時計に商号を変更しました。今日もブランド名として残る”オリエントスター”をはじめ、穴石と受け石を100個も用いた”グランプリ100”や”万年カレンダー”といった個性的なモデルを次々に発表していきます。クオーツ式が世を席巻した後も、81年に羽後時計精密、86年に秋田オリエント精密(共に現・秋田エプソン)を設立し、機械式を作り続けてきました。2017年にセイコーエプソンに統合され、会社としてのオリエント時計はなくなりましたが、オリエントとオリエントスターの2大ブランドは今も健在です。5万円以下で買えるモデルが豊富なオリエントは、機械式入門に最適です!オリエントのRN-SP0002Sのモデルなんかはさわやかなホワイトダイアルがビジネスシーンでも活躍しそうで良さげですね!新入社員のみなさまでもお小遣いで買えるんではないでしょうか。
今回ご紹介のオリエントはもちろんのこと、ロレックス、オメガなどの海外ブランド、腕時計のメンテナンスショップをお探しならぜひブローチ時計修理工房におかませください。【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、腕時計修理全般を承っております。他店で断られた腕時計もお気軽にご相談ください。
こんにちは!ブローチ時計修理工房蒲田店です。今日は日本のブランド①SEIKO(セイコー)の続き的なかんじで二大企業のひとつシチズンについてお話したいと思います。
シチズン(CITIZEN 1918)
貴金属商・山崎商店(現・田中貴金属ジュエリー)の製造部門・尚工舎を母体に1918(大正7)年、尚工舎時計研究所として創業します。24年に発表した懐中時計”シチズン”から名を取って30年にシチズン時計として会社化し、東京・高田馬場に本拠を構えました。52年に日・曜・月カレンダー付き、58年にアラーム機構付き、59年に完全防水仕様、 66年に電磁テンプ式”コスモトロン”と、腕時計における「国産初」を連発していきます。一方でアメリカのブローバと提携し、同社が特許を持つ音叉時計”アキュトロン”を 71年に”ハイソニック”の名で国産化しています。2008年にはそのブローバ、12年にはスイスのプロサー社(アーノルド&サンや15年に復興したアンジェラス、高級ムーブメントメーカーのラ・ジュー・ペレを所有)、16年には同じくスイスのフレデリック・コンスタントを買収。シチズンファインデバイス(旧・御代田精密)が作る MIYOTAブランドの国産ムーブメントを内外のブランドに供給するなど、海外進出にも意欲的です。別ブランドとして展開するカンパノラには、リピーターや永久カレンダーなど機械式なら数千万円コースの複雑機構をクオーツ化して手が届く価格帯に収めた通好みなモデルに加え、ラ・ジュー・ペレ製のムーブメントを用いた高級機械式も。一方ではシチズンコレクションなどには10万円以下の機械式も幅広くラインナップされています。やはり選択肢が多いとそれだけ選ぶ楽しみも増えますし、あれやこれやどれがいいかなぁと悩む時間はなんとも言えず楽しいですよね!
シチズン修理事例
今回ご紹介のシチズン、セイコーの日本の2大ブランドはもちろんのこと、ロレックス、オメガなどの海外ブランド、腕時計のメンテナンスショップをお探しならぜひブローチ時計修理工房におかませください。【電池交換】や【オーバーホール】、【研磨(ポリッシュ)】【ベルト交換】など、腕時計修理全般を承っております。他店で断られた腕時計もお気軽にご相談ください。
BROOCH(ブローチ)時計修理工房神田店です。
皆様、腕時計のインデックスが取れてしまったことはありますでしょうか?
インデックスとは、時計のお顔である文字盤に配置された、数字、目盛りのことです。他にもロゴや針が取れてしまっている時計もよく見ますね。
そんなインデックスですが、なぜ取れてしまうのでしょうか。
今回は、インデックスが取れる原因2つと、取れたらどのように対応すればいいのかをご紹介いたします!
インデックスが取れる原因3つ
インデックスが取れる原因は主に2つです。それは、「衝撃」と「湿気」です。経年劣化による接着剤の劣化もありますが、上記2つは特に気を付けることができるので、そちらを紹介いたします。
まず1つ目の「衝撃」、これが1番多いのではないでしょうか。落としてしまった、ぶつけてしまったときに時計を見たら、あっ、という話は頻繁に耳にします。
落としてしまうと、インデックスだけでなく、外装にキズが付きますし、中の機械にも悪い影響を及ぼします。ゼンマイがひげがらみを起こしていたり、必要箇所に注油された油が飛び散ってしまっていたり。
落としてしまった時計は、必ずオーバーホールしていただきたいです。深い傷は磨ききれませんが、ポリッシュもオススメです。
2つ目は「湿気」です。時計の内部に水や湿気が侵入してしまうと良いことは何ひとつありません。
水や湿気が入ると、インデックスや文字盤に錆、腐食が起きてしまったり、接着剤の劣化が進行したりします。それによって取れやすく、剥がれやすくなってしまうと考えられます。
こちらも落とした時同様、中の機械にも悪い影響を及ぼします。水分が侵入してしまった時計は、必ずオーバーホールをしていただきたいです。乾燥作業をする必要があるため、一刻も早く時計屋さんへお持ちください。
全てに共通して言えることは、丁寧に使っていただくことが最大の予防になるということです。万が一落としてしまったり、時計内部に水が入ってしまった場合には、早めにオーバーホールをしていただけたらと思います。
インデックスが取れた時の対応
もしこれを見てくださっている方で、インデックスが取れてしまった時計がございましたら、なるべく早く針の動きを止めてください。針を止めておかないと、取れたインデックスを引きづってしまう可能性が高まるからです。そして、文字盤・針・インデックスを傷つけてしまい、取り返しのつかないことになってしまいます。
電池式でしたらリューズを引くと秒針が止まります(機械式も基本止まりますが、止まらないものもあります)。しかし、リューズを引いている状態というのもまた決して時計によくありません。というのも、リューズを引いていると密閉性が無くなり、中の機械にホコリや湿気が出入りすることを容易に許してしまうからです。
インデックスが取れた場合には、針を止めて、時計を綺麗な袋と箱に包み、一刻も早く時計屋さんにお持ちください。
インデックス修理事例
以下のリンクより、実際にインデックスの取り付けを行った修理事例がございます。是非御覧ください。
①:Burberry(バーバリー)の腕時計のインデックス修理
②:DAKS(ダックス)GDG-892 の腕時計のインデックス修理
時計修理はBROOCH時計修理工房へご相談ください
いかがでしたでしょうか。今回は、インデックスが取れる原因3つと、取れたらどのように対応すればいいのかをご紹介しました。
普段気にしていなかった方も多いと思いますが、この機会にお持ちの時計のインデックスを見てみてください。
当店では、インデックス修理を承っております。お店には技術師が在中しておりますので、ご相談だけでも承っております。
その他時計に関するお困り事がございましたら、ブローチ時計修理工房神田店までお問い合わせください。
お待ちしております。